第肆話『プロローグ 再び湘南』
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「さて、これから数時間。ゆっくりするか」
「そうですね」
「それにしても、推薦で一発合格さすがだな、お前は」
「学校ではそれなりの成績はキチンと取っていましたから」
こうは言ってるが実際澪は頭がかなり良い。本当なら中学も私立に行けたのに俺と一緒が良いっておじさん達を説得して市立の普通校に通った。
「まあ、お互いよく頑張りました…と。ふぁ〜あ、眠いから寝るわ駅に近づいたら起こして」
「わかりました」
◇◇◇◇◇
〜湘南〜
「くぁ〜、着いた〜!!あ〜長かった」
身体を伸ばしてから首をコキコキと鳴らす。
「さて、とりあえず先に家に行って荷物片付けるか」
「そうですね」
「そう言えば、澪。お前の下宿先はどこら辺だっけ?」
「ユウさんの家のすぐ近くです。お父さんが血眼になって探して見つけてくれました。もしなかったら一軒家を買収するとも言ってました」
「さすがは澪パパ。愛娘の為なら何でもするな」
澪のお父さんは娘をこよなく愛する人で娘に対しては激甘なんだよな。まあ、その分母親の方が結構厳しい人だから上手い具合にバランスが取れているのかもしれないな。
ブオォォォォン!!パフパフ!!
海岸線沿いを歩いていると突然のバイクの爆音が聞こえたと思ったら俺達を取り囲むように止まった。
「おうおう、にーちゃん。見ない顔だなぁ、ここが俺達江乃死魔のシマだって知ってんのかぁ?」
「江ノ島ってあの橋渡った先の島…ですよね?」
「ああ、そうだけど」
「変わったグループ名してますね」
「だな」
「ちげぇーよ!!江ノ島じゃねえよ江乃死魔だ!!てえめぇ、舐めてっと泣かすぞコラッ!!」
その中の一人がバイクから降りてきて俺の胸ぐらを掴む。しかし、俺ってなんでこういった輩に絡まれやすいのか…。やっぱり血筋なのかなぁ?
「まあまあ、暴力は止めとこーぜ、後で後悔すんのはソッチだぞ」
「あぁあん、命乞いか?」
「だからさぁ――――放せって事だよ」
ギロッ!!
「うっっ」
俺を掴んでいる不良A(仮)をドスのきいた声で言いながら睨み付ける。するとそれに怯んたのか手を放す。
「てなわけで通らせてもらうよ。いくぞ澪」
地面に落とした荷物を拾い上げ歩き出す。その間も連中は一歩も動かず冷や汗を掻いていた。
「ふ〜ん。あの、威圧感、辻堂以上か?まあ、何にしろ面白そうな奴が見つかったわ。あの男の方もだけど特にあのチビ女の方だな」
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