12話 『不死への抵抗』
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娘はその身が朽ちるまで我を庇うだろう。我を倒すなら、娘を亡き者にしてまで向かい来るといい。それが出来ぬなら仲間内で殺し合い、我等の同士となれ!」
バンパイアの言葉を号令とするかのように、地表から再びアンデッドが多数涌き出る。
「ふぇーん、どうすればいいんでスかランクさん、マゥスンさぁん……?!」
「こーなりゃシファが死なない程度に動き封じて、バンパイアの野郎に集中攻撃仕掛けりゃ……ッ」
とはいえ、ランクとビルは多数のコウモリとアンデッドに阻まれバンパイアとシファになかなか近づく事が出来ず、体力と魔力が否応なしに削られる。
キイィィン─────
何かの金属音で思わずランクが目を向けた先で垣間見たのは、手にしていたダガーを手元から弾かれたらしいシファが、赤魔道士マゥスンの足元にふと倒れ………
「(あいつ、シファに何して────)おわッ!?」
背後の気配に気付くも遅く、ランクは数体のアンデッドに押し倒され俯せに押さえ付けられた。
「ら、ランクさん……!? ふひゃあっ」
ビルも同様、身動きが取れなくなる。
バンパイアはマゥスンの背後へ瞬間移動するがすぐに気取られ、振り向き様剣で抗されるがその剣刃を片手で掴み取った。
一瞬動きを失う二人だが、自らの赤黒い血の滴る剣刃を掴み取ったまま離さないバンパイアに至近距離から<ファイラ>を放ち、
炎に巻かれて剣刃を離し後退った所へ確実に仕留める為、胸部を剣先で貫こうと迫った刹那─────
不意に眼前に翳されたバンパイアの片手から赤黒い血液が飛び散り、羽付き帽子はしていたとはいえ鍔の下までそれは襲い、両眼に浴びせられて視界は奪われ動きを失うマゥスン。
そこへ間髪を入れず背後に回り込み、赤マントの背に掴み掛かって牙を剥くバンパイア。
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