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ファイナルファンタジーT
12話 『不死への抵抗』
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外、ここには何も無さそうでスけど──── 」

「何か分かるかもしれないから、調べてみよう?」

 シファがそう呼び掛けた時、ふとマゥスンが地に伏しているバンパイアに近寄り、剣の柄を逆手に持ち直すとその切っ先をバンパイアの背に突き立てる。

────他の3人は一瞬彼の行動に理解を示せなかったが、ピクリともせず地に伏している黒マント姿のバンパイアは見る間に小形のコウモリへと変化した。


「これって、どういう事……?」

「な、何だか小さくなっちゃいまシたね」

「元はバンパイアもコウモリだったってだけだろッ」

 シファとビルは不思議そうに見下ろし、ランクはさも当然のように云うが────

「バンパイアは胸を貫かなければ倒せない。………これは偽者、本人は姿を暗ましている」

 剣先を引き抜き、あくまで無感情に述べるマゥスンにぎょっとさせられる3人。

「はあ?! それを早く云えっつの!……ドコいやがる、出てきやがれッ!」


 ランクの呼び掛けに応えるはずもなく静まり返っているが、気配を消していた上に忽然と背後に現れたバンパイアは瞬時に獲物を捕らえて黒マントに包み込み、

首筋に食らい付かれた白い娘は痛みよりも奇妙な得体の知れない感覚と恐怖に抵抗しようもなく身体の力が抜けていき、えもいわれぬ気分に陥り遠のいてゆく意識─────

一瞬の出来事にランク、ビル、マゥスンすらも気付いた時には既に遅く、シファがバンパイアの牙に掛かった。


「やりやがって……! シファを放しやがれッ!」

 背後から掴み掛かったままのバンパイアを引き離そうとするランクだが、再びコウモリが多数出現し阻まれる。

「くそ、ジャマだッ!」

「ランクさん下がって……!<サンダラ>っ!」

「 …………… 」

 ビルが雷属性を、マゥスンは炎系黒魔法を放ちコウモリ達を退け、前方が開けた先にはバンパイアの姿はなく1人倒れ伏したシファが─────

「おいシファ、しっかりしやがれッ!」

 二刀のダガーのうち一方を収めたランクが駆け寄り、白フードが脱げて肩程までの長さの黄髪が乱れたシファの頭を抱え起こすが次の瞬間、閉ざされていたエメラルド色の瞳が突如見開かれ、片方腰に収められていたダガーを瞬時に奪い取ってシファはランクに襲い掛かった。

「 な゙ッ……?! 」

 首を斬られるのを間一髪で避けたが、シファはダガーを手にしたまま3人から素早く遠ざかり、姿を現したバンパイアを守るように立ちはだかる。

「し、シファさん……っ?」

「やっぱ操られちまったか……ッ」

「 ………… 」

 動揺するビル、舌打ちするランク、悠然と構えているマゥスン。


「武器か魔法であろうと、この
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