MR編
百三十六話 強行突破
[9/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「……うんっ、皆!向こうは大丈夫、私達は正面を突破しよう!此処にいる私の友達も手伝ってくれるから、一気に突破、行くよ!」
「よろしく頼むぜ〜」
完全に置いてきぼりを喰らっていたナイツメンバーは、一度全員が顔を見合わせると、一斉にコクリと頷いて眼前の集団に向けて武器を構える。前方集団のメンバーはまだ状況を把握しきれてはいないようだったが、それでも武器を向けられると全員が即座に迎撃態勢を取った。
「アスナさん……」
「うん、後方の集団に居られると時間が無駄だし……私とリョウのツートップで一気に突破するから、すこしお願い出来る?シウネー」
「はい、ですが……」
シウネーと呼ばれた、ゆったりとしたカソックに身を包んだ水妖精の女性プレイヤーは、不意に困ったようにリョウを見て言った。
「そちらの方はパーティ登録をしていませんから回復の範囲外です……平気でしょうか……?」
「え?あぁ、それなら大丈夫」
アスナは苦笑すると、腰からレイピアを引き抜いて言う。
「多分、誰も彼には近寄れないから」
────
パチクリと瞬きをしたシウネーの後ろで、大音響とライトエフェクトが弾ける。後方軍の戦闘が始まったのだ。
アスナは苦笑を即座に真剣な表情に切り替えると、全員に向かって怒鳴る。
「行くよ!」
言うが早いが、リョウを先頭として楔形の陣を組み、ナイツのメンバーは一斉に突進を始めた。前方からは、土妖精(ノ―ム)の隊長を中心とした集団が、雄叫びをあげて突っ込んで来る。
「んじゃ、行くぜぇ……」
リョウは突進と共に、冷裂を頭上へと持って行き、緩やかに回転し始めた、其れはやがてライトイエローのライトエフェクトを纏い、リョウの頭上で乱回転を始め……
「おぉぉぉ!!」
「らぁぁぁぁ!」
雄叫びをあげて突っ込んできたメンバーを……
「亜ァァァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!」
「へっ?」
「うぇっ?」
吹き飛ばした。
「はっ?」
「ちょ、ま」
「アアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!」
其れはまさしく暴風の如く。
リョウの頭上で右へ左へと傾きながら回転する冷裂にプレイヤーが当たる度に、重装備の者は後方へ、軽装の者は跳ね飛ばされるように中に向けて吹き飛ばされ、針路上にある一切合切が、竜巻のようなその暴力によって切り刻まれて行く。
薙刀 九連撃技 斬傘車《きりがさぐるま》
「ァァァァァァ圧ッッ!!!!!」
最期に、ヴンッ!!!と大きな音を立てて冷裂を正面に一閃。針路上に居たレンジャー装備の何人かが吹き飛び、回復の暇も無く空中でエンドフレイムをまき散らして消える。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ