MR編
百三十六話 強行突破
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ユウキ以下、其々がかなりの強さを誇るナイツメンバーでも、これには驚愕を禁じ得なかったらしい。まあ気持ちは分からないでもないが、キリトとリョウ、このアスナ的には全MMO中でも最強の兄弟と付き合っていくのに、この位のことで驚いていたのではやっていられない。
システム外スキル 魔法破壊
旧アインクラッドでキリトが得意とした、「武器の脆弱部位にソードスキルを正確に命中させ叩き折る」と言う強力なシステム外スキル、武器破壊を応用する形で彼が編み出した、真に神業とも言うべきスキルだ。
元来ソリッド……つまり、個体的な実態を持たない魔法エフェクトには、中央一点のみ……つまり殆どドットとなる部分に、唯一の「当たり判定」に当たるものがある。
移動するその部分に……純物理では無く属性効果を持った、ただし速度が制御できず、機動も制御しにくいソードスキルをぶつける事で、魔法とソードスキルの威力を対消滅させる。というこのスキルの難易度は、はっきり言って実際にやってるキリトなどのメンバーが居なければ、「絶対に不可能だ」と断言しただろう。
ちなみに現在アスナが知る中でこの魔法破壊が出来る数少ないメンバーは、今アスナの目の前に全員集結している。
即ち、キリト、レコン、リョウの三人だ。といっても、リョウの場合は、得物が取り回しの悪い長物であるため、5発以上の連続技で成功した事は無い。対しキリトは10発、レコンは7発までなら連続で迎撃でき、レコンに関しては、ちょっとした小技なども身に着けていたりする。レコンが成功させた時は、リーファが非常に悔しそうにして居たのは記憶に新しい所だ。
そんなこんなで行われる魔法破壊、彼等全員、アスナが知る限り殆ど身内でしか練習しない為、恐らく公の場で晒されたのはこれが初めてだろう。現に回廊に居る50人以上の人間は、その殆どが完全に絶句している。
「おいおい……マジデスカ」
先程攻撃を指示したサラマンダーの言葉に続くように、回廊がざわついた。
とは言え、不足の事態に対する対応の早さは、ゲーム攻略の必須技能の一つだ。SAO時代から変わらぬその技能を彼等は当然のように持っていて、そのざわつきはすぐに収まり、彼等は各々の得物を手に取り始める。この辺りもまた、流石に攻略ギルドの一つと言うところだろう。
後方のスペル詠唱が始まった時点で、キリトの隣にレコンが並び立ち、一度深呼吸をした後に、先程までとは打って変わった真剣な表情で敵集団を見据える。
キリトもアスナに一瞬振り向いて素早く頷き掛けると、親指でボス部屋の方を指して即座に正面を向き直す。当然「行け」のサインだが、一瞬だけ、アスナは迷った。
いくらキリトやレコンが強いと言っても、後方にいるのは30人近い人数の大所帯である。これらを、一体どの位抑えられる
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