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SAO─戦士達の物語
MR編
百三十六話 強行突破
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でやるか?」
「いや、どうせなら……いつものメンバーでどうだ?」
「おっ。いいねぇ……早速メッセ送ってみるか」
ニッと笑ったキリトにリョウが二ヤリと笑って、二人は相談を始める。危険な兄弟の、危険な相談が始まりつつあった……

────

「……っ」
アスナは今、八方塞がりの状態となりつつあった。
彼女の眼の前には、鎧馬に盾、と言うエンブレムをあしらったギルドのメンバーを中心とした、24層ボス攻略を目的とした連結(レイド)パーティ21人余りが立っている。現在彼等は、このボス部屋前をボスの攻略準備と言う名目で封鎖……というか、占領しているのである。
少々の交渉の後理解出来た事は、彼等がこの場所を退くつもりが一切ないと言う事と……

『アスナ、ぶつからなきゃ、伝わらない事もあるよ』
そう言って剣を取り前に出た、ユウキ達の持つ剣士としてのゆるぎない信念だ。
一片の迷いも無く大規模ギルドに対して刃を向けた彼女達の姿勢から、アスナは現実世界のいざこざで無くし欠けていた、無用なしがらみにとらわれ続ける事のない、剣士としての精神を思い出していた。
もしこのVRワールドですら報復やしがらみを気にして剣を振るう事が出来ないのなら、そもそもVRMMOをプレイする意味すら無いではないか。
「何のためにこのゲームをプレイするのか」重要なのは其処なのだ。それが理解出来たとき、半ば無意識の内にアスナは剣を取り、ユウキ達の隣に立っていた。
そうして二つの戦力が今にもぶつかろうと言う時……予想できる最悪の現象が起きた。前方に展開していたレイドパーティのもう方割れ。28人が、援軍として到着してしまったのである。
実に彼我の人数差、42人。此処まで差が開いてしまうと、まして囲まれてしまうと、もう剣や槍ではどうにもならない。前方の部隊を突破してボス部屋に入り斬るよりも前に、後方部隊から放たれる魔法や弓の連打と、掠った近接武器のダメージで体力を削り斬られてしまうからだ。

とは言え、既にお互いの戦闘態勢は確定してしまっているのだ。今更降伏や温情を求める事は有りえない。こうなってしまっては、最早全員果てるまで、自らの剣と誇りを持って戦い抜くしかない。そう考え、アスナとナイツメンバーは全員次の層は必ず攻略すると言葉にする事無く誓い合いながら、頷きあい、円陣を組んだ。
あくまで諦める様子を見せないアスナ達に業を煮やしたように、後方集団を率いていたケットシーのクロー使いが、やや歪んだ笑みを浮かべる。

「往生際悪ィん……」
が、其れを言い終わるよりも早く……彼等の想像の右斜め上をぶち抜く事象が、“一斉に”出現した。

「え?あ、あれは……!?」
「え?」
初めに其れを見つけたのは暗視能力に長けた影妖精(スプリガン)である、ノリと言うナイツの女性メンバー
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