MR編
百三十六話 強行突破
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占めるもんだからな。てか、其れが分かってっから今俺に話してるんじゃねぇの?」
「まぁ……そうなんだけどさ」
ニヤリと笑って言ったリョウに苦笑しながらキリトは返した。元々、此処まで話した事は恐らくキリトも承知の上なのだ。
「で?どうすんだ」
「あくまでも、アスナ達の攻略だし、あんまりギリギリまでは手出ししたくないんだけどな……もし揉めるようなら、出来る事はしたい」
真剣な顔で言うキリトに、リョウはニヤリと笑った。
「そうすっとイージスの連中に喧嘩売る事になるよなぁ」
「パパ……」
リョウの言葉の意味を察したのだろう。ユイが不安そうにキリトを見ると、彼は困ったように笑ってリョウの問いに答える。
「けど、其れをまかり通らせたままじゃ、今回のアスナの攻略は恐らく成功しない。アスナも楽しそうだし、それに水を指すような事させたくなくてさ……」
「うはは。妻の為なら大手のギルドに喧嘩売るか。いいねぇそう言うの。盛り上がりそうじゃねぇか」
「…………」
リョウは笑いながら言うが、ユイの不安そうな表情は消えてはいない。
と言うのは、キリトの言う事が詰まる所、「力ずくでもアスナ達をボス部屋に届ける」と言う意味合いで有り、それのためであれば、何かしらの迷惑行為を働いているかもしれないイージスと力づくでぶつかることもあり得ると言う意味である事が、彼女にも理解出来たからだ。
元来ALOは、中立域に置いては全てのプレイヤーは他のプレイヤーを無条件に攻撃する事が出来る。と言うハートフルな世界観にしてはハードな部分を持っている。だが実際の所、大手ギルドのメンバーを攻撃しようと思うなら其れなりの“覚悟”が必要だ。其れは仮に彼等にその場で勝利しても、ギルドぐるみの報複の可能性があったり、外部コミュへの恨み事の持ち出しなどが発生する恐れがあるからで有ったりと色々な理由がある。
しかし……
「まぁ、今回ばかりは、向こうにも非があるからな。上手く話は付けるよ。それにこう言うのだって、立派なALOのプレイの仕方なんだ」
「そう言うこった。まぁ安心しろとはいえねぇが、俺もキリトもこれでも立派な廃人一歩手前ゲーマーだからな。この手の事に対処すんのは慣れっこだからよ。まかせとけって、ユイ坊」
「……はい。パパ、叔父さん……」
まだ迷うような様子は有ったが、そう言って、ユイは小さく頷いた。
実際の所、キリトの言う事は正しい。
イージスのように、非マナー行為すれすれの事をしてでも、力技でボスを攻略しようとするのもALOの楽しみ方。アスナ達のように、失敗覚悟の無茶なボス攻略に乗り出すのもALOの楽しみ方なら、恋人の為、いつもの無茶を使って、自らの不満を大きな相手に剣を持って訴える事もまた、ALOの楽しみ方の一つなのだ。
「さて、ならどうする?俺らだけ
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