MR編
百三十六話 強行突破
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「んで、手伝うことにしたわけか」
「うん、なんか久しぶりじゃない?こういうの」
「確かに、最近はメンバー的にも安定してきてたしなぁ」
翌日、22層の森の家で偶然アスナと顔を合わせたリョウとキリトは、そんなことを話していた。
話題は勿論、本日行われるスリーピングナイツとアスナによるボス攻略作戦である。
「うーん、そうか。ボス攻略……か」
「?キリト君?」
と、すこし考え込むように顔を伏せたキリトに、アスナが首を傾げる。しかしすぐに彼は顔を上げると、首を左右に振りながら微笑んで言った。
「いや、何でもないよ」
「ふーん、変なの」
その表情に安心したのか、笑いながらそういったアスナはしかし、不意に困ったような顔をすると、若干苦笑気味に言う。
「あー、でもこれみんなに話しちゃったのは失敗だったかもってさっき思った」
「え?」
「なんだそりゃ?」
キリトとリョウが首を傾げるのに対して、アスナはなにやら恐縮したように答える。
「実はSNSでこの話みんなにしたら、メッセ使ってみんなpotとか凄く沢山くれて、ちょっと余計だったかなぁって」
「はっ、馬鹿言え。お前のこった。いつものメンバー以外とボス攻略なんつー大それたことすんのが、なんとなしに申し訳ねーとかなんとか思ってわざわざ報告したんだろうが」
「う……」
「アスナがそう思ってた事くらい、みんな察してるさ。それも含めて応援だったんだよ、きっと。ありがたく受け取っとこうぜ」
リョウの言葉を引き継ぐようにキリトが言うと、アスナは少し悩んでからやがて嬉しげに微笑み、頬を赤らめた。
「うん、じゃあ、そうする」
「さて、と、けどそうすると俺達からは何送る?兄貴」
「そうさな……なんか相応じゃねーとなぁ……」
「わあああ!だから良いってば!もうっ!わざとやってるでしょう!?」
大慌てになって言うアスナを、リョウとキリトはやはりと言うべきか、笑いながら見ていた。
「いやあ、やっぱお前楽しいわ」
「からかわないで!」
いつも通りのやり取りをしながら、アスナはやがて並行していたアイテムの整理を終え、立ち上がった。
「よしっ!それじゃ、行ってくるね!」
「ああ、朗報待ってるよ」
「ぶちかまして来い!」
「ママ、頑張ってください!」
「うん!」
二人と、不意にキリトの肩に乗って居たユイの声に後押しされるように、アスナは森の家から飛び立った。
「んー……なあ兄貴、どう思う?」
飛び去っていくアスナの後ろ姿を見えなくなるまで眺めていたキリトがリョウに問う。リョウは頭の後ろに手を組ながら、首を傾げた。
「どうって?絶剣とアスナの事か?それとも……」
「ああ、ボス攻略の話だよ」
リョウの視線の先では、キリトが思案顔で腕を組んでいた。ふむん、
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