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魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜漆黒の剣士〜
第9話 「八神堂」
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そうでなければ変に意識してしまってディアーチェと上手く話せなくなってしまう。
「そこまで親しい関係だと聞いたことは一度としてないわ。そもそも貴様より我の方が……」
「……王さまのほうが?」
「な、何でもないわ! ショ、ショウも変な勘違いするでないぞ!」
「分かってるから落ち着け」
会話をしているうちに店の中に入っているのだから騒ぐのは不味いだろう。表向きの八神堂は本屋なのだから。
――にしても、小学生組はクールというかドライというか……俺達の会話にまるで無関心だったな。高町とフェイトは心配なのか何度か視線を向けていた気もするけど、アリサと月村においては本を見て回ってたよな。
「ほんと王さまはショウくんのことが好きやなぁ」
「な……こ、小鴉!」
「あはは、冗談や冗談。そんなに怒らんといて」
「貴様が怒らせるようなことを言っておるのだろうが!」
気が付けばおいかけっこを始めたふたりに、俺は呆れつつも温かな目を向けていた。
このふたり、本当に仲が良いよな。これを言ったらディアーチェは即行で否定しそうだけど、なんだかんだで無視せずに相手をしてるわけだから少なくても嫌ってはいないだろう。
そんなことを考えていると、誰かが近づいてくる気配がしたので視線を向けてみると、申し訳なさそうな顔をしたアインスが立っていた。
「すまないね。君の前だと主はいつもよりも子供らしくなってしまうようで」
「別に気にしてないし、むしろあいつは子供なんだから良いことじゃないか」
「そう言ってもらえると助かるよ……また背が伸びたかい?」
「さあ? 頻繁に測らないし……まあアインスがそう思うんなら伸びたんじゃないか。時期的にも伸びる時期だし」
アインスは八神家でも大人しいというか無口なほうだ。こうやって話せるのは、これまでに何度も店の手伝いをしたおかげかもしれない。ただ彼女の出す雰囲気はとても穏やかなので、会話がなくても気まずさといったものは皆無なのだが。
近況報告のような世間話をしていると、ふとはやてがこちらを見ているのに気が付いた。
「どうかしたのか?」
「べつに〜、ただええ雰囲気を出すなぁと思っただけや」
「な……あ、主、別にそんなことは!」
アインス、ここで慌てたらかえって逆効果だ。からかわれるのに慣れていないのは分かるが。
というか、何でからかったんだ。アインスが通っているのは夜間学校で年齢的に大学生。俺は中学生なので、彼女からすれば子供もいいところだ。一般的に恋愛の対象としては見られないだろう。
「ショ、ショウ、君も何か言ってくれ!」
「とりあえず落ち着いたら?」
「私にじゃなくて主にだよ!」
アインスが落ち着けば終わると思うんだけどな……とはいえ、はやてに言わないことに
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