暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜漆黒の剣士〜
第9話 「八神堂」
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手紙に激怒したディアーチェだったが、なんだかんだ言いながらも小学生達を連れて八神堂へ赴くことを選んだ。
その道中で俺は八神堂の主への愚痴を聞かされたが、昔からの付き合いがあったためにその手の話はこれまでに何度も聞いている。加えて、ディアーチェは人の愚痴を俺くらいにしか言わない。
――個人的な推測だが、元気過ぎるレヴィや真面目そうに見えてお茶目な一面のあるあいつの相手を昔からしてきたもの同士だから、俺には弱いところを見せてもいいと思ってくれているのだろう。
ある意味では俺にだけは甘えてくれているとも解釈できる。そのためディアーチェの愚痴に付き合うのは個人的に嫌いではないし、俺の愚痴も聞いてもらったりするため全く苦ではない。
「ようやく着いたか」
「とうちゃ〜く!」
ホビーショップT&Hから八神堂までは、それなりに距離がある。気温は落ちてきているものの、徒歩で移動したため体力を消費しないわけがない……はずだが、レヴィだけは全く疲れを感じさせない。本当に彼女は元気だ。まあだから人一倍食べても体型に影響しないのかもしれない。
「ここは……本屋さん?」
高町の疑問に答えるとすれば肯定の返事になる。入り口から見える店内は、どこからどう見ても本屋なのだから。
八神堂への反応を見る限り高町やアリサは初めて訪れたようだが、くすくすと笑っている月村はここを知っているようだ。
おそらくだがこの店の主がディアーチェに酷似した容姿をしていることを知っているのだろう。そして、ふたりを見たらきっと驚いたりするだろうな……とでも思っているはずだ。本当にこの子はイイ性格をしている。
「どうしたのすずか?」
「う、うん、ちょっと……ショウさん、どうかしましたか?」
「いや別に……」
「そう言われると逆に気になっちゃうじゃないですか」
「……君みたいな子は嫌いじゃないって思っただけだよ」
「え……ふふ、私もショウさんみたいな人は嫌いじゃないですよ」
月村はこの中で最も清純そうに見えるが小悪魔系かもしれない。今はまだ乗っかる程度でやっているだけかもしれないが、今後の育ち方によっては多くの男達が騙されそうな気がする。
勝手な想像で何とも言えない恐怖を感じつつも、とりあえず返事をしようとした矢先、ディアーチェが店内に向かって声を上げた。
「来たぞ小鴉! さっさと出迎えんか、このうつけ!」
ここまでの道中で散々俺に愚痴をこぼしていたはずなのに、これほど怒声を出すとは俺の知らないところでディアーチェは八神堂の主からストレスを感じさせられているのかもしれない。
などと考えている間に、店内からたぬきのような耳が付いたフードを被った少女が出てくる。その後ろには長い銀髪の女性。少女のほうは俺達の前まで来るとフードを外
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