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ドリトル先生と伊予のカワウソ
第四幕その十

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「どうかと思っていますが」
「松山城ですか」
「松山の観光の中でも最も有名な場所の一つですね」
「はい、そうです」
 まさにそうだと言うのでした、加藤さんも。
「あのお城は」
「そうですね、では」
「松山城に行かれますか」
「そう考えていますが」
「ではですね」
「はい、これからは」
 こうお話してでした、そのうえで。
 お蕎麦をお腹一杯食べた先生達はお店を出て松山城に向かおうとしました、ですがここでまたジップが言いました。
「あれっ、また」
「そうだね」
 ジップに続いてです、ダブダブも言うのでした。
「この匂いは」
「まだだね」
「狸の匂いだね」
「相当に長く生きている」
 その匂いがです、またしたというのです。
「近くにいるね」
「そうだね」
「ううん、また匂うとなると」
 そのお話を聞いてこう言った先生でした。
「僕達に会おうとしているのかな」
「そうかもね」
「だからまた匂ってきたんじゃないかな」
 ジップとダブダブは先生にお顔を向けて言ってきました。
「その狸さんまだ出て来ていないけれどね」
「それでもね」
「用事があるのならね」
 それならとも言う先生でした。
「何なのかな」
「ううん、すぐに出て来ればいいのに」
「そうだよね」
 ジップとダブダブは首を傾げさせてこうお話をしました。
「先生の用があるのなら」
「これまでの人みたいにね」
「それがかえってね」
「気になるよね」
「まあその狸さんにも都合があるかも知れないね」 
 先生はこう二匹に言いました。
「だからね」
「まだ出て来ないのかな」
「そうなのかな」
「それかね」
 若しくはとです、先生は考えながらこんなことも言いました。
「たまたま擦れ違っているだけとかね」
「その古狸さんと」
「そうしているだけかな」
「そうかも知れないね」
 こうも考えたのです。
「若しかしてだけれど」
「色々なケースがあるから」
「だからだね」
「そう、気にはなっても」
 それでもだというのです。
「その狸さんに会ったその時に」
「そうだね」
「何かをすればいいね」
「そう、そういうことでね」
 こうお話してでした、そのうえで。
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