49章 きみなしではいられない
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笑んだ。
美樹の隣には松下陽斗も来ている。
「おれも、美樹ちゃんとは、絶対にケンカなんかしたくないですよ」と陽斗がいう。
「美樹ちゃんって、怒ると、コワいからね!陽くん!?」という詩織。
「あら、わたしって、怒ったって、全然、コワくないと思うけど、詩織ちゃん」
「そうそう。美樹ちゃんも詩織ちゃんも、全然、コワいなんて思ったことはないよ。
いつも、可憐な花のように、かわいい女の子だって、おれは思っているもの」
信也が生ビールに酔って、上機嫌でそういうと、みんなは、おおわらいをする。
「しん(信)ちゃん、みなさん、楽しんでいただけてますね。どうですか、
このライブハウス、サニーは?かなりガンバって作ったんですよ。あっはは」
新井竜太郎が、満面の笑顔で、弟の幸平と、スーツをビシッと決めてやって来る。
「竜さん、この度は、こんなに、すばらしいライブハウスに招待していただいて、
ありがとうございます。ぜひ、おれたちも、ここでライブをやりたいですよ!」
信也がそういうと、清原美樹やみんなも、「サニーは、ホント、ステキなお店です」
「ぜひ、ライブ、やらせてください!」などと、竜太郎や弟の幸平にいう。
「そうそう、竜さん、水谷友巳くんの件では、ホントに失礼しました。
あれよという間に、モリカワ・ミュージックが、水谷くんには、すごい力の入れようで、
バンド結成して、メジャーデヴューへ向けてやっていくことになっちゃったんですよ」
「そんなこともあるよ。しんちゃん。おれは何も気にしていないから。
むしろ、水谷くんのバンド結成と、メジャーデヴューを祝福したいですよ。
今日も、水谷くんや、そのバンドのドルチェのみなさんも来てくれているし。
その彼らが、新曲を披露してくれるっていうから、嬉しくってしょうが
ないくらいなんだよ。しんちゃん」
午後の2時を過ぎたころ。ワンフロアの広い店内にある、スポットトライに
彩られたステージでは、水谷友巳たちのバンド、ドルチェが、
ライブハウス、サニーの開店を祝福の気持ちを込めて、
5曲ほどのライブを始めようとしていた。1曲目は、軽快な8ビート、
甘美なメロディの 『きみなしではいられない』である。
ステージの近くのテーブルでは、バンド名のドルチェを考えた、
水谷友巳の恋人の、15歳の高校1年、木村結愛が、
ドルチェの熱い演奏を見つめている。
きみなしではいられない ( Can not do without you )
作詞作曲 水谷友巳
黄昏の深まりゆく いつもの散歩道
君の手のぬくもり き
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