第146話
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ってな。」
「それじゃあ、私も一緒に探すよ。
とうまもこの場に居たら一緒の事言うと思う。」
インデックスの言葉を聞いた麻生は重いため息を吐く。
どうやら、とうまという人物を知っているようだ。
麻生からすれば知っているというより、色々な事に巻き込まれるトラブルメーカーなのだが。
一方通行は運転手の男に声をかける。
「この辺りで停めろ。」
文字通り命を握っている一方通行の指示を受けて、男は路肩に車を停めた。
「協力しろ。」
一方通行はインデックスを見る。
「うん。
何をしたら良い?」
「この近くにデカい病院がある。
徒歩五分から一〇分って所だな。
そこに行って、いかにも帰カエルに良く似た顔の医者を見つけて来い。
医者に会ったら・・・・」
そこで言葉を切り、自分の首筋をトントンと叩いて。
「ミサカネットワーク接続用電極のバッテリーを用意しろと伝えろ。
それで通じる。
バッテリーってなァ大事なモンだ。
ソイツがねェと人捜しができねェ。
だからバッテリーを受け取ったら、オマエはダッシュで此処に戻ってこい。
分かったな?」
「分かった。
ミサカネットワーク接続用電極のバッテリーだね。」
完璧に復唱された。
一方通行の言っている意味を理解はしてないだろう。
理解していたらしていたで困るのだが。
意外に頭の回転は早いかもな、と一方通行が適当に考えていると、インデックスは三毛猫を抱えると雨の道路へ躊躇なく出て行った。
「待っててね。」
「あァ?」
「私が戻ってくるまで、ちゃんと待ってなきゃやだよ?」
「・・・・・・分かっている。
良いからさっさと行け。」
「きょうすけ。」
「ああ、コイツが先に行きそうになったら止めるよ。」
隣にいる麻生の言葉を聞いて安心したのか、パシャパシャと水溜りを踏みながら走って行く。
その小さな背中が、闇の奥へと消えていく。
「クソったれが。」
思わず吐き捨てて、彼は座席の背もたれに身体を預ける。
バッテリーに替えはない。
それは病院に行っても同じことだ。
電極自体が試作品なので、バッテリーもそれに対応して特殊な物になっている。
量産化などされていない。
されていれば、最初から大量のバッテリーをポケットにでも突っ込んでいる。
インデックスをこのままにするのは非常にまずかった。
だから、嘘をついたのだ。
『猟犬部隊』の活動現場を見たインデックスは今日一日は確実に追われる立場にある。
カエル顔の医者の元に行けばここにいるよりはマシな筈だ。
木原達
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