40章 As The Same Life (同じ生命として) (1)
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沢さんから学んだことは、心優しくなければ、いい音楽は作れないって
ことですよね。沢さんの影響で、10年くらい早くオトナになれた気がしています」
「そうなんだ。しんちゃんの活躍には、沢さんの影響があったのか。あっはは」
わらいながら、そんな会話をして、ビールを酌み交わしているのは、
エタナールの副社長、新井竜太郎(りゅうたろうと、ロックバンド、
クラッシュ・ビートの川口信也である。
ロック界で異色の新人として注目の川口信也と、エタナールの副社長の
新井竜太郎の、酒飲み仲間としての交流は、マスコミでも取材されていた。
「しんちゃん、今回の新曲は、痛烈な人間社会への警鐘というか、
現代文明への批評があるような気がするんだけど。でも、すごく、
ロックとしての反骨精神があって、おれも、とても好きなんだけどね」
「ありがとうございます。社会への批判なんていう、生意気なことを詩にする
つもりはなかったんですけどね。出来上がってみれば、人間への批判みたいに
なっちゃってますかね、竜さん。あっはっは」
「ロックとか芸術っていうものは、社会の既成の枠組みからはずれる、
アウトサイダーなんだから、正統派でいいんじゃないかな。
おれは大衆に媚びて、ヒットを狙う作品よりは、しんちゃんの
ロックのほうが好きだけどね。それにしても、作品つくりの秘訣っていうか、
うまい方法って何かあるのかな?」
「そんな方法があれば、おれが知りたいですけどね。あんな詩が書きたいとかの
目標ならありますけどね。今回の『As The Same Life (同じ生命として)』は、
ボブ・ディランのライク・ア・ローリング・ストーン(Like a Rolling Stone)が目標でした」
「そうかぁ。ライク・ア・ローリング・ストーンね、あれはロックの最高の名作だよね」
ライク・ア・ローリング・ストーンは、ディランの最大のヒット・シングルであり、
60年代のロックを象徴する曲として、ディランの名を神話的レベルにまで高めた。
≪つづく≫
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