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雲は遠くて
37章  川口信也の妹の美結(みゆ)、やって来る (3)
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すでにご用意してありますから。
でも始めたばかりですから、お時間のあるときは、クリエーション、
付属の養成所がありますから、そこで、いろいろなレッスンを
受けられたらいいかとも思います」

 満面の笑顔で、竜太郎は美結(みゆ)にそういった。

 少し前の竜太郎の表情には、隠しようもなく、人を威圧するような
(こわ)さがチラチラと見られたものだが、信也たちと付き合って
いるうちに、それが消えていった。竜太郎はそのことを自覚していて、
自分をそんなふうに変えていってくれている信也たちを、
高く評価して、いつのまにか、親友として信頼するようになっていた。

「竜太郎さん、よろしくお願いします。あ、エターナルの副社長さん
のことを竜太郎さんなんて、お呼びしていいのかしら?」

 美結(みゆ)は、いろいろと親身になってくれている竜太郎に、
そういうと、素直に(うれ)しそうに 微笑(ほほえ)んだ。

「おれのことは、竜さんでも竜でもいいですから。気軽に
呼んでください。あっはは。おれも、しん(信)ちゃんには、
いろいろと良くしてもらっていますから。美結(みゆ)さんも、
しんちゃんも、みんな家族のような感じがしてます。
これからも、美結(みゆ)さんのことは、しっかりと
サポート(支援)させていただきますから。こちらこそ、
よろしくお願いします。あっはは」

 そういってわらいながら、竜太郎は、美結(みゆ)の笑顔に、
特別に魅力的なオーラを感じていた。

 ……美結(みゆ)ちゃんは、立ち上げたばかりのクリエーションを
代表する、素晴(すば)らしいタレントや女優やミュージシャンに
なるだろう、きっと……

 女性を見ることに自信のある竜太郎は、気分よく酔いながらそう思う。

「竜さん、おれは特別に何も良いことなんかしてないじゃないですか、
おれなんか、7歳も年上の竜さんから見れば、生意気なだけの、
世間知らずのただの若僧ですよ。あはは」

 信也がそういって、ちょっと照れながら、シャンパンを飲み干す。

≪つづく≫
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