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雲は遠くて
35章 竜太郎、竹下通りで、デートとスカウト (1)
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35章 竜太郎、竹下通りで、デートとスカウト (1)

 2014年4月6日。空は晴れている。風が少し冷たい日曜日である。
商店街の竹下通(たけしたどお)りには、週末の春休みということで、
多くの人たちで(にぎ)わっている。

 新井竜太郎と、モデルのようにスタイルのいい長身の若い女性、
秋川麻由美(まゆみ)の二人が、ショッピングがてら、仲も良さそうに
竹下通りをぶらついている。

 竜太郎の腕に (あま)えるように しっかりと抱きつく 麻由美の姿は、
ボブ・ディランの1960年代の傑作アルバム、フリーホイーリンのジャケット
の、若きディランと可愛い彼女を連想させる。

 竜太郎は身長178センチの31歳、秋川麻由美は身長167センチの21歳。

「竜さん、アモスタイル(amos-style)に連れてって!」

「アモスタイルって、天使のブラの店だろ?」

「うん、かわいいブラやショーツのお店よ。テレビのCMで、
篠原涼子さんが、トリンプのかわいい下着をつけてたのよ。
わたしも、そんなかわいいを下着をつけて、竜太郎さんに
脱がしてもらおうかなって……」

「あっはは。天使のブラ、極上の谷間っていう キャッチコピーの
CMね、はいはい、おれも見たことある。彼女って、色っぽいよね、
あっはは」

「そうなの、わたしも篠原さんみたいに、いつまでも、色っぽい
女性でいたいのよ」

「篠原涼子って、何歳になるんだっけ?旦那(だんな)さんが俳優の
市村正親(いちむらまさちか)だよね。子どもも2人くらい
いるんだろうけど、そんな生活感を感じさせないよね、
さすが芸能界の第一線で活躍するプロだと思うよ」

「わたしも、芸能界に入ったばかりだけど、篠原を大先輩として
見習いながら、がんばろうと思って……」

「それで、まずは、天使のブラからってことだね」

「うん、まあね」といって、麻由美は竜太郎を(まぶ)しそうに見る。

 二人は声を出してわらう。

 今年の1月から、竜太郎が副社長を務める 外食産業大手の
エターナルでは、総力を挙げて、芸能事務所を立ち上げている。

 秋川麻由美は、商業高校卒業後、この竹下通りの衣料品店、
Gapフラッグシップ原宿に勤めていたのが、今年の1月に、
この店に買い物に来た竜太郎にスカウトされたのであった。

 現在、麻由美は エターナルの芸能事務所のクリエーションで、
バラエティ番組などに出演するタレントとして 活動を始めている。

 1月に事業を開始したばかりのクリエーションであるが、すでに
所属するタレントやアティーストやモデルは30名以上である。

 竜太郎が先頭に立って立ち上げた芸能事務所のビジョン
(未来像)
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