暁 〜小説投稿サイト〜
『自分:第1章』
『複雑』
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聞いて泣いてた。
みんなが泣いてた。
なんなん、人生って。

恵ちゃんも零那も過去を聞いて貰った。
みんなが泣きまくった。


それぞれが、それぞれのイタミを抱えて、死にたくて、無理矢理生きてきて、それでも強くなろうと、生きようと足掻いて、なんで『普通』に生かしてくれんかったんやって神を憎む。そもそも神なんかおらんか...


大好きなお母さんが此処を出て普通に暮らしてくれたなら。
何に怯えることもなく安心して暮らしてくれたなら。
そう願うしかない。

離れてしまう日が来るのは淋しい。
けど、幸せを願う。


お互いを知り、深入りすると情が移る。
離れがたくなる。
辛くなる。
自立せなあかんのに。
感情が邪魔する。
そんな馴れ合い的な感情の芽を出さん為に事情を聞かんってルールがあるんかな?
今更そう思っても遅い。


お母さんは寮を空ける日が多くなった。
嫌な予感がする。
職員と一緒に早朝から夜遅く迄。
ふとお母さんが手紙をくれた。
温かい手紙。


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