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魔法少女リリカルなのはStrikers〜誰が為に槍は振るわれる〜
第一章 夢追い人
Prologue
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「っ!!!!」
「待って!!お兄ちゃん!!嫌だぁぁぁぁ!!!」
そしてお兄ちゃんは家に走っていった。
その背中が振り返ることは決してなかった……
「エリオくん!!」
「うわぁぁぁ!!」
そして僕は目覚めた。
いつもと同じ布団、同じ場所で。
「ハァ……ハァ……ゴメンキャロ、迷惑掛けて」
「ううん。それよりエリオ君大丈夫?すごくうなされてたよ」
「大丈夫。うなされてても、ただの夢だから……」
そうあれはただの夢。もう、過ぎたこと……。
「それよりいま何時? 今日は訓練場の当番だから急がないと」
「あっ!? それでエリオ君を起こそうとしてたんだった!?」
「じゃあ急がなきゃ!!」
僕はこうして今を生きてるんだ。だから、忘れよう。両親のことも、そして……。
○●○●○●○●○●○
ミッドチルダ中央区画湾岸地区南駐屯地内A73区画。堅苦しい地図の上ではそのように呼称されている場所にある機動六課隊舎の前に、一人の少年が立っていた。
歳はちょうど10代前半から半ばあたりだろうか。子どもというには少しばかり色々と知りすぎていて、かといって大人というにはまだまだ少々幼さが残る年頃、そのくらいの年頃の少年だった。
「ここが機動六課……オレの新しい職場か」
思わずといった感じでこぼれた独り言は世間ではまだ思春期に入るか入らないかという年頃にありながら、その少年が既に社会人であること――それも過酷な環境に身を置く軍人であることを示していた。
そんな年不相応な環境に身置きながらもそこはやはりまだまだ子ども心が残っているのだろうか。少年は隊舎の入口の前に立ったまま、目的地であるはずの隊舎の中には入らずにこれから自分の職場になる建物を眺めていた。
顔は左から右、そしてまた左へゆっくりと、対して目は上から下にそして再び上へと忙しなく。食い入るようにというわけではないが、それでも興味を持っているいるということが傍目に見ても分かるほどには時間をかけて眺めていた。
そして数度の顔の往復と十数回の視線の上下の後、少年は少し首をかしげる。
「思ってたより古い感じだな、隊舎」
≪いやいやいや、これからお世話になろーっていう場所を初めて見た感想がそれってどうなんですか〜人として≫
少年のあんまりな感想に、彼の
指輪
(
デバイス
)
はさすがにそれはといった様子で注意する。しかし少年はそれをさほど気にした様子ももなく肩をすくめて、正直な感想だからと苦笑をみせる。
そんな彼に若干説教モードに入りつつさらに注意しようとする
指輪
(
デバイス
)
だったが、彼の言葉はそこで終わっていなかったらしい。それに、の一言で注意の頭を押さえながら、彼は言葉を続けた。
「ここは
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