第6章 流されて異界
第96話 狭間の世界
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い。髪の毛は……青。俺の髪の毛が淡い蒼穹の蒼なら、彼女は深い蒼穹の蒼。容貌はかなりのレベル。かなりキツイ目の表情のハルヒ、淡い無表情と言う状態が凝る長門さんと比べるとかなり少女らしい雰囲気。
但し、彼女も人工生命体。この二月……いや、始まりは一九九九年七月七日に始まる異世界からの侵略により生み出された人工生命体。
もっとも、現在では歴史が元通り、異世界からの侵略など起きて居ない歴史に戻った事に因り彼女はその辺りの記憶を失い、自分は普通の人間だと思い込んで暮らして居る状態。
確かにやや中途半端な状況ながらも、朝倉涼子と言う人格や存在に罪はなく、世界自体に大きな影響を及ぼさないのならば、この世界に生きて行くのは自由ですから。
……と言う名目で彼女、朝倉涼子や、長門有希。もしかするとその他に存在したかも知れない、彼女らと同じ人工生命体たちもこの世界で暮らして居るはずです。
今年の五月に起きた事件以後に、水晶宮や天中津宮。ヘブライの聖堂など、それぞれの有力な神族の元に投降をして来た連中は。
但し、当然のように投降……。彼、彼女らの造物主たる高次元意識体の元に残った連中に関しては、歴史が修正された瞬間、この世界より消滅しているはずですけどね。
「あたしは落ち着いて居るわよ。ただ、其処でバカ面を晒して立って居るヤツと話がしたいだけよ!」
そう騒ぐハルヒ。朝倉涼子を無理矢理振りほどこうとして身体を左右に振るが、それでもしっかりとしがみついた彼女を振りほどく事は出来ない。
……おそらく、今は一般人だと思い込んで暮らして居る朝倉涼子なのですが、元々は何らかの意図の元、高次元意識体に因り作成された人工生命体。元邪神の苗床とされた人間でも簡単に振りほどく事の出来ない身体的なスペックは有して居ると言う事なのでしょう。
しかし……。
【なぁ、長門さん】
どうにも、腑に落ちない点が有るので、自らの右肩の後ろに存在する紫の髪の毛を持つ少女に【指向性の念話】を繋げる俺。
その問い掛けに対して、実際の言葉にしての答えも、更に【念話】にしての答えも、彼女は返して来る事は有りませんでした。しかし、雰囲気だけで言葉を続けるような気を発した長門有希。
但し、同時に妙に哀しげな雰囲気が流れて来ているのですが……。
もっとも、この部分に関して今はあまり関係ないでしょう。
【事前に渡して貰った資料から言うと、ハルヒと俺の関係は友人だと言う事なんやけど、この世界では友人関係でも修羅場が展開される世界なのか?】
そう考え、少し冗談めかした言葉使い。……かなり明るい雰囲気で問い掛ける俺。まるで彼女、長門さんの暗い雰囲気を払拭させようとするかのように。
それに、どうにも、ここで遇ったが百
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