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東方夢想録
博麗神社 編
博麗霊夢ルート
第29話 西行妖、再度

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霊夢
幽々子は頼んだ

俺が今すべきことは.....
もちろんアレだ

霊夢が幽々子を相手している隙を見て俺は西行妖のそばに立ち、星花を下ろしてから西行妖に触れる

「久しぶりだな.... 俺、こんなんなっちまった」

俺は西行妖に語りかけるように独り言を喋る

「ほら、幽々子もあんなんなっちまってよ... お前も、桜が咲いてないじゃないか」

幾ら俺が語りかけようとも西行妖はうんともすんとも言わないさ

「なぁ、咲かせてやるよ。綺麗な満開の桜をさ、あん時みたいに...」

星「ダメ.......おにーしゃま...やる、気?」

「ははは、星花はなんでもお見等しなのな」

俺はにっこり笑い

「ありがとな、星花.... そして、ごめんな?」

星「あや.....ま、んない.....でよ」

星花は目に涙をためる
今にもこぼれ落ちそうだ...

霊夢「幾斗ぉ!! 幽々子が、幽々子が....」

霊夢が俺を呼んで叫ぶ
始まったか.... と思いながら幽々子を見る

幽々子の体が下半身から徐々に桜の花びらになって行く

「時間がない.... 星花......もし、もし何処かでまた会えたなら、俺にこう言ってくれ、幾斗の好きな食べ物りんごって!! それでもダメだったら殴れ、殴って殴って殴ってくれ.... それでもダメだったら........ ごめんな?」

西行妖に触れている右手に体中の力をぶつける
今にも右腕が千切れそうだ

だが今はそんなことどうでもいい

ぎこちない笑顔だが、今できる精一杯の笑顔をして
残った左手で星花の頭を撫でる
そして、ポッケに入っている花柄のピンを耳につけてやる

「その、ピン......見たいな...花が、咲く....ぞ...」

体力がどんどん削られて行く
傘、傘を用意しなければ....

「ホントに.....ホントに、ありがと.....星花」



あれ俺は、なんの為にまた西行妖の桜を咲かせようとしているんだ?

幽々子が消えてしまうから?

なんで消えるんだ?

西行妖の栄養になってしまうからか?



じゃあ待て、俺はもしかして
このまま行くと.....



俺がそう思ったときはもう既に遅かった...

キーンと言う、耳が可笑しくなりそうな高音と共に意識が遠のへて行く...




傘、能力、妖力....
花柄のピン、霊夢の札、りんご....

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