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雲は遠くて
25章 東京・FM の サテライト・スタジオ にて (2)
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能とか…」と、美樹はつづけた。

「なるほど、なるほど…。
みなさんは、きっと、才能もセンスも(ゆた)かなんですよ!
これからの、ご活躍も、
わたしたち、とても 楽しみなんですけど、
クラッシュ・ビートのみなさん、G ‐ ガールズのみなさん、
今後の 抱負(ほうふ)と いいますか、
音楽活動の計画や決意のようなものって、
何かあるんですか?」 と、
パーソナリティ(司会者)の 渋谷陽治(しぶやようじ)

「いやーあ、何も考えてないです。いままでどおり、
バンドとしては、適当に、ライブをやったりして、
時期を見ては、セカンドアルバムを出してゆくっていうか。
紅白の出場とかまでは考えたないよね?
今年は とても 無理だし。ねえ、みんな…?!」

そういって、みんなを見わたす、森川純に、
みんなからは、わらい(ごえ)が もれる。

「わたしたちは、アルバムや シングルが、
ヒットチャートに、いきなり登場しちゃって、
幸運なんですけど。みなさまのお(かげ)ですし。
こんなことが、いつまでも、続くなんて、
信じられないですものね…」

そういったのは、19歳の大沢詩織(おおさわしおり )。

「まあ、それでは、ひとことずつ、みなさんの抱負とかを、
お聴きしましょう」 という、
オールバックの髪が 似合(にあ)渋谷陽治(しぶやようじ)

「では、レディー・ファースト (女性の優先)で、
ベース・ギター、ヴォーカルの、
弱冠(じゃっかん)19歳の、平沢奈美(ひらさわなみ)さん」

「え、わたしですか。そうですね…。これからも、ポップで
キャッチーな曲で、ヒットを飛ばしたいです!」

「やっぱり、ヒット曲は、ミュージシャンの夢ですよね。
では、リード・ギター、ヴォーカル、20(はたち)
水島麻衣(みずしままい)さん」

「わたしは、ギターソロの、メロディアスな曲で、
いっぱい、ヒットを飛ばせたらいいなと思います!」

≪つづく≫
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