二十話 S(ランク)
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「相変わらず、すごい記録だな」
広翔は驚かずにそう言った。
海波の実力は何回も見たことがあったからだ。
「ありがと。ほら次、広翔の番だよ。」
背中を押される様に言われた広翔は、苦笑を見せて測定に向かった。
広翔はゆっくりと台式測定機に手を置く、そして軽く念じる。
数秒の間、思い出したくもない感覚が芽生えてきた。嫌だった???
???
《1ーA、美咲 広翔。 》
また転々と喋り出した。
《念力濃度、131。ランク...S 分解速度、1050m/s ランク...S 精密度、11ミリ ランク...S》
???
広翔の結果は最高だった。
『・・・おい、嘘だろ…』
小さな疑惑の声が周りから湧き出ているのがよくわかる。
広翔は列に戻ろうと振り返ると、たくさんの視線が向けられていた。
台式測定器は3台。機械の音はよく聞こえるようだ。
Sランク能力者。
世界でも数名しかいないと言われている、特別高級な能力者。兵器と言っても過言で無い位である。皆が驚いているのも無理はなく、あり得ないほどだ。
『・・・S? 故障じゃないの?…』
ざわざわとした雰囲気は止まなかった。
Sなどあり得ない、
広翔は点々と列に戻った。
「まったく…本当に測定するとはね…」
海波は《バカじゃないの?》って感じで微笑を漏らしながら、ため息交じりにそう言う。
「仕方が無いだろ。 やらないわけにもいかないし。」
広翔もため息を交えながらそういった。
「測定器壊すとか、暴れ出すとか、 なんかあったんじゃ無いの?」
「ばーか。停学になるぞ」
広翔は少し笑って、目をつむった。その言葉に海波は下をむいて少し怖い顔をした。
「でもこのままでいくと、また…」
海波は声を縮めながらそこでいい止まった。
広翔にはその言葉の先が十分に分かっている。
「大丈夫だろ、あの組織とは縁を切ったはずだから。」
「・・・…」
海波はなにも言えない。
「自分の身の心配もしとけよ。」
ふっと、広翔は微笑んだ。
「そうね。さて、取り合えず一つの測定は終わったことだし貝木のとこにいく?」
表情を戻し、話を切り替えす。
「そうだな。次の測定に間に合わない様にしようぜ。」
広翔たちはルームを出て保険室に向かった。
・・・・・・・・
ルームの雰囲気は止んでいない。もちろん広翔の話で持ちきりだった。
Sランクなど日本でも1人や2人ぐらいしかいない人材。
彼らの驚
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