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雲は遠くて
22章 メジャー・デヴュー・パーティ ー(2)
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・・・、
ビートルズの、プリーズ・プリーズ・ミーは、
全部で、14曲あります。
やっぱり、ビートルズは天才ですし、偉大です!」

清原美樹は、そういって、ほほえんだ。
会場からは、()しみのない 拍手がつづく。

観客たちは、1階と2階のフロアのテーブルで、
ゆったりと 飲食(いんしょく)を 楽しみながら、
くつろいでいる。

「そうか・・・。ビートルズは、ファースト・アルバムを、
10時間で、仕上げたんだっけ?」

そんな話をするのは、モリカワ・ミュージック、課長、
今回のアルバム制作の、総指揮の、
森川良(もりかわりょう)である。

「ええ、そんな話は、ビートルズの専門誌で、
読んだことがあります。ビートルズも、
G ‐ ガールズも、ライブで、(きた)えられた、
ロックバンドには、(ちが)いないですが・・・」

と、(かた)るのは、森川良の(みぎ)どなりの
席の、レコーディング・スタジオ・レオの、
島津悠太(しまづゆうた)である。
悠太のとなりには、
悠太のスタジオの エンジニアの、山口裕也(やまぐちゆうや)
そのとなりには、
スタジオ・マネージャーの沢木綾香(さわきあやか)もいる。

「彼女たちが、20時間で、レコーディングを、
完成させたことには、
正直(しょうじき)、超驚(ちょう おどろ)き、なんですよ。
わたし、
終始(しゅうし)、冷静を(よそお)ってはいましたけど」
と、森川良に語りかける、
悠太が、声を出して、明るくわらった。

≪つづく≫
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