20章 店長・佐野幸夫の誕生会 (2)
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
20章 店長・佐野幸夫の誕生会 (2)
9月7日の土曜日の午後1時。
空は 気持ちよく晴れている。
「美果ちゃん。経営の不振で、
閉店を考えていた店が、その後、
25年間で、売上1000億円って、やっぱり、すごいよね!」
代々木上原駅
南口を出ると、
佐野幸夫は、
真野美果に、そういった。
「25年間で、売上1000億円って、
森ちゃんのお父さんの会社のこと?」
「そう、森ちゃんちの、フォレスト(Forest)のこと」
「へー、そうなんだ!フォレスト(Forest)じゃぁ、
わたしも、CDとか、借りるときあるわ」
美果はそういって、佐野にほほえむ。
佐野は、ちらっと、美果の、裾がひろがる、
ブラックの フレア・スカートに 目が向く。
美果の肢って、きれいだよな、
さすが、女優さんだよ。いつも佐野はそう思う。
「えーと、美果ちゃん。
うちのモリカワが、先月の8月、
総店舗数、200店を達成して、
売り上げが、400億になったんだけど。
えーと、
モリカワの目標は、5年間で、1000店舗でさあ、
それはちょっと 無理だとしても、
5年後には、700店舗くらいは達成できるとして、
売上(うりあげ)1400億くらいはいくだろうなって。
そんなわけで、
森ちゃんとこも、すごい 成長力だけど、
おれらの、モリカワもすごいなって、思うんだ」
「ほんとうね。森ちゃんちと、森川さんちって、
やっている 業種が違うから、
いまも仲はいいけど、
同じ業種だったりしたら、どうなっていたかしらって、
思うわよね」
「まったくだよ」といって、佐野幸夫は わらう。
真野美果も わらった。
ふたりは、青信号になるのを見ながら、
国道413号、
井の頭通りの交差点を 渡る。
「このへんは、静かな住宅街だね」と、佐野幸夫はいう。
「下北もいいけど、このへんも、いいよね。
いつか、わたしたちの、
マイホームが、このへんなんていうのも、いいわよね」
と、真野美果は、佐野を見て、ほほえむ。
片側一車線、制限速度30キロの、通学路と書かれた、
黄色い
標識のある道を、ふたりは、南へ、歩く。
道の左側に、7段の石段のある、
渋谷区上原公園があって、緑も豊かだ。
ブルーやピン
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ