暁 〜小説投稿サイト〜
雲は遠くて
19章 信也と 詩織の ラブ・ストーリー (2)
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
19章 信也と 詩織の ラブ・ストーリー (2)

クルマは、国道413号線の、井の頭通(いのがしらどお)りを、
西へ 2分ほど走ると、信号を左折(させつ)して、
上原中学校の グランドの横を通って、下北沢へ()かう。

「このへんの地形って、坂が多くって、緑も多いから、
なんとなく、山梨県を思い出すんだ」

「そうなの、山梨県に、似ているのね。
でも、しんちゃん、それって、ホームシック(homesick)
かもしれないわ」

「はっははは。おれ、そんなことないって!
東京は、楽しいよ、やっぱり。
詩織ちゃんとも、出会えたし!」

「わたしも、しんちゃんと出会えたから、しあわせよ!」

「さあ、今夜は、どこで食事をしましょうか?詩織さま・・・」

「どこでもいいわよ。しんちゃんと、いっしょなら、
どこでもいいわ・・・」

「おれだよ。詩織ちゃんと、いっしょにいられるだけで、
しあわせ、感じるよ。
(じつ)は、おれ、今夜は、下北(しもきた)
(この)み焼き(やきや)さんに、
予約(よやく)を入れておいたんだ。
前に行ったとき、
予約なしで、来た人たちは、結構(けっこう)
(ことわ)られていたんだ。
そんなわけで、
あの店、おいしくて、人気あるから、
行っても、(はい)れないときあるからさ。
予約じゃ、キャンセルも、できるしね!
店長は、バンドマンだった人で、
バンド活動は、引退しちゃったっていうけど、
やっぱり、音楽的なセンスは、
料理にも()きるってことだろね!」

「うん、そんなものよね。
音楽も料理も、
感性が大切だからじゃないかしら。
そのお店行ってみたいわ!
そこの、お好み焼きって、
私も食べてみたい!」

詩織の、ほっそりとしたラインの(うで)が、
信也にのびて、そっと、信也の手を (にぎ)る。

夜の6時ころ。
ふたりは、クルマをマンションにおいて、北沢2丁目にある
下北沢なんばん(てい)で、
生ビールを飲みながら、お好み焼、鉄板焼(てっぱんやき)
楽しいひとときを()ごした。

夜の8時30分ころ。
ふたりは、下北沢なんばん(てい)を出ると、
信也のマンションに帰った。

ふたりとも、ビールに酔って、上機嫌(じょうきげん)である。

大沢詩織(おおさわしおり)は、シャワーを()びている。

川口信也(かわぐちしんや)は、ケータイを、
スマートフォンに、()えたばかりで、
その画面を、指でタッチして、
タップを(ため)している。

「しんちゃんも、スマホにしたら?」

先日(せんじつ)、詩織がそういった。

信也は、ガラケイとかいわれるケータイで、

[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ