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『自分:第1章』
『お母さんの両親』

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お母さんは若い。
35歳だった気がする。
10代でユウを産んでた。
真面目なお母さんやから年齢聞いて逆算してビックリした。

お母さんの両親も若い。
ユウが、じぃちゃんばぁちゃんって呼んでるのに違和感があった。

どっちの夫婦も仲良しこよし。

やっぱ親が仲良しだと子供は幸せやと思う。
そんな些細なことの積み重ね。
ユウの両親、祖父母を見て、そう想う。


お母さんの両親に挨拶。
ユウと、何故かマサもついてきてた。
お母さんが簡単に説明。
寝泊まりさせていただくことに。

家の造り、家具、におい...ほだされる雰囲気。
『家庭』ってゆうのを全身で感じる家。

2階に通されて、見たことも触れたことも無い、綺麗で、ふかふかのベッド。
窓を開けたら爽やかな風が入る。
数日とは言え、こんな素晴らしい環境に置かせていただくのは、申し訳ない。


お母さんの弟が話を聞いて、純粋なユウが、何処の訳あり女に騙されたんか思て確認しに来た。

お母さんと違って無神経極まりない態度と言動。
ユウを心配してのこと。
そう思ったけど、苛つく。
お母さんから聞いてるはずのことを色々聞いてくる。
警察、検察の忌まわしい執拗な聴取と同じ。


生理的に此の人はキライ。

顔もキライ。
昔の客の顔に似てた。
エロオヤジの顔。
気持ち悪い。


翌日、窓にコンッ!って音がして覗いたらユウとマサが居た。
ユウが、猿みたいに塀から木、木から屋根って。

『すげー!猿やん。』

『うっさい!はよ出て来い。ココ居ってもすることなかろ。息詰まるだけやし。』

『じぃちゃんもばぁちゃんもホンマ良い人やんね。そりゃ気は遣うけど。』

『うっといだけやろ。』

『罰当たりなっ!あんた幸せもんやな。チャント話してから出るからアンタも怪我せんと降りぃや。』

無視して屋根から一気に飛び降りた。


昔懐かしい海に行った。
海ってゆうても住友の工場とかの方。
波止場。
油まみれの汚い海。
大概夜やったから解らんかった。
昼間チャント見たら凄く汚い。

それでも思い出の場所。

なんだかんだ、ふざけたり話したり、時間はあっとゆう間に過ぎ去る。
いとも簡単に今を過去に変えていく。

あと何日此処に居れるんやろ。
何でもない普通の日々が、改めて大事だと想えた。


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