暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜黒の剣士と紅き死神〜
アリシゼーション編
第一章?七武侠会議編
集う列候
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いんだぞ?」
「大丈夫。ボクも行くよ」

 くだらないやり取りをするだけの会議に出ても何も面白くは無いのだろうが、木綿季が出たいと言うなら止めるつもりは無い。
 右手を差し出し、木綿季が立つのを手伝うとまだ背後にいた人物を振り返る。

「お待たせしました、友紀奈様。参りましょう」














 一時間程前まで緊張感溢れる空気になっていた広間は未だその空気を緩めていなかった。唯一、俺の前を歩く皇の当主が入室した時だけが異なったが、俺と木綿季が入る時にはもう既に中は緊迫していた。

「おう、お帰り螢。どこ行ってたんだよ」
「庭眺めてた」
「やれやれ……俺も少しは息抜きしたかったぜ」

 どかっと蓮兄の横に腰を下ろすと円状に座る他の七武侠の面々を見渡す。まず目に付くのは藤原と清水の全権代理の二人だ。
 ホークス第一師団隊長、藤原 暁と第二師団副隊長、清水 遊菜。つまり職場の同僚達だ。この二人に関しては『味方』と判断して差し支え無い。事実、目があって笑顔で手が振れる仲だ。
 問題は完全に敵対意思を持っている夜門。ここは山東が滅んだ現在、七武侠で最大勢力を誇る家でこの会議を期に七武侠の全てを掌握しようと企んでいるようだ。
 そして、今の所中立派である皇、華苑院、九条。いや、盟主としての役割を果たす皇と議長役の華苑院はどうあろうが中立派であろうからこの会議の行方はある意味、九条が握っていると言っても良い。
 俺は厳つい顔をした九条の老当主をチラッと見るが、当人は感情の読めない瞳で場を睥睨している。

 ところで、何を話しているのかというと、

「それでは再開と行こうかの。水城殿、夜門殿。双方意思に変わりは無いか?」
「無論、夜門に水城如きに従う意思は無い」
「何度も言うけどさ、従えって言ってんじゃねぇんだわ。国賊の山東と戦争するから力貸せって言ってんの。今一番の不安因子の山東を潰す機会は滅多に来ない……聞き分けてくれや」
「断る」

 白髪をオールバックに固めた強面の男といかにも軽薄そうな蓮兄の舌戦は要約すると今の感じだ。
 午前中はこれで終わった。どうやら午後になろうがあまり変わらないらしい。
 まあ、ここで夜門と決別しようがあまり関係無い。まさか山東を討つ邪魔をする筈は無いので水城、藤原、清水の三家で山東とやれば良いだけの話なのだ。
 言い争いが不毛に思えて来た俺は別件の事案に思考を巡らすために、意識を切り替えようとした。

「……これ以上の議論は不毛である。相手を従わせたくば、武力で決めよ」
「九条殿……」

 最初の挨拶以来、一言も言葉を発していなかった九条の当主が蓮兄を、夜門を見ながらそう切り出した。

「九条殿、それは水城と夜門で戦争しろという
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