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『曹徳の奮闘記』改訂版
第三十五話
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ですってェェェーーーッ!!」

 袁紹が怒る。

「こうなったら全軍で行きますわよッ!!」

「いい加減にしなさい麗羽ッ!! 私は行かないわッ!! 落とし穴の他にまだ罠があるのかもしれないのよッ!!」

 曹操が袁紹の命令に反対をした。

「キィィーーーッ!! おだまりなさい華琳さんッ!! これは総大将命令ですわよッ!!」

「ッ!?(此処で総大将命令を出すわけなのッ!!)」

 曹操は内心舌打ちしていた。

 もし、此処で逆らえば董卓達と内通していたと、有らぬ疑いを掛けられてしまうかもしれない。

「(……従うしかないわね……)……分かった。突撃しようじゃないの。そのかわり、袁紹軍が先に突撃しなさい」

「初めからそう従えばいいのですわ。袁紹軍の戦いを見せてやろうではありませんか。オーホッホッホッ!!」

 袁紹は高笑いをした。

 そして翌日、反董卓・袁術連合軍は総攻撃を開始した。

「全軍突撃ですわッ!! オーホッホッ ホッ!!」

 袁紹の号令と共に連合軍の兵士は突撃するが、落とし穴で立ち止まってしまう。

「……袁紹は阿呆なんだろうか……」

「阿呆なんだよ……」

 クロエの呟きに俺は頷く。

「ですが、こちらも攻撃しましょう。弓隊、用意ッ!!」

 雪風の言葉に弓隊が弓を構える。

「放てェッ!!」

ビュンビュンッ!!

 矢が一斉に放たれて、落とし穴で立ち止まっていた連合軍の兵士に突き刺さる。

「丸太を持ってきて橋をかけるのですわッ!!」

「……渡っても狙い撃ちされるよ姫……」

 顔良が溜め息を吐くが、袁紹からの命令は絶対なので直ぐに行動に移す。





―――前線陣地―――

「隊長。敵は丸太を持ってきたで」

 真桜が言う。

「……袁紹は早く洛陽を占領したいんだろうな……」

 俺はそう呟く。

「……だが、そうはさせるか。雪風、矢に毒を塗って打て。それと敵の指揮官を狙え」

「分かりました。全員、矢に毒を塗って下さいッ!!」

 弓隊は壷に入った毒を鏃に塗って構えて発射していく。

 毒矢に命中した連合軍の兵士は次々と倒れて力尽きていく。

「姫ッ!! 敵は毒矢を射っていますッ!!」

 部下である顔良が慌てて袁紹に報告してきた。

「だからどうしたというのですのッ!! サッサと渡りなさいッ!!」

「ガハッ!!」

 その時、袁紹を護衛していた兵士の一人が喉に矢を受けて倒れ、そのまま絶命した。

「姫ッ!!」

「〜〜〜一旦後退しますわッ!!」

 袁紹は慌ててそう言って後方に逃げた。

 こうして、連合軍の二回目の総攻撃も失敗した。



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