アカデミー編
赤い鞘
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れどここで退いては押し負ける。
逃がさせてはなるものかと、シノは蟲を一斉にカトナの周りに集める。
その瞬間を逃してなるものかと、カトナは大太刀を勢いよく地面につき刺した。その反動で彼女の身体が宙に浮く。
器用に刀の上で逆立ちをした彼女は、その体勢を維持したまま、チャクラを操る。
蟲たちはシノの命令に反応するが、同時に自らの餌であるチャクラに集中する性質がある。
大太刀にチャクラを流し込み、蟲を誘導。その隙にシノを襲う。
それがカトナの考えた作戦であった。
うまくいくかどうかわからない、一か八かの作戦であったが、それでもやらないよりはやった方がいいはずだ。
活を入れるべく、彼女は高らかと刀の名前を呼ぶ。
「黄昏」
ぐしゅりという音が弾ける。
瞬間、ざわざわと風が流れた。
蟲たちの動きが止まる。困惑したシノがサングラスの下で目を細めた。
その瞬間。
「…な?!」
近くの木にあったらしい蜂の巣から一斉に蜂が飛び出した。
シノが目をむき、カトナも驚愕する。
慌てて距離を取ろうとした彼女の前を猛スピードで駆け抜けた雀蜂たちは、あろうことかシノの蟲にとびかかる。
ぎょっとしたカトナが大太刀から離れた場所に飛び降りる。シノもまた雀蜂に刺されぬように一定の距離を取る。
人間たちが警戒していることなどつゆ知らず。
蟲と雀蜂は互いに何か思うところがあったのか。衝突したその瞬間から、互いに食らい、食べ、殺し合う。
なんだこれと困惑したカトナは、まぁいいかとそこで思考を割り切った。
とりあえずシノを襲う絶好のチャンスだ。
振り向きざまに大太刀を引き抜く。
武器を失ったシノが動揺しているところに、彼女は畳みかけた。
「ここ」
カトナが大太刀を蹴り飛ばす。
「…っ!」
そこまで体術が秀でていないシノは、大袈裟な挙動で回避する。
底を狙って、カトナはひそませておいた苦無を投げ、立て続けに手裏剣を投げる。
シノが連続して飛来する忍具を苦無で弾く。
その間にカトナは地面に着地し、一気に距離を詰める。
もともと、シノは体を鍛えてはいるが、そこまで体術が強いわけではない。
遠距離ではなく近距離に持ち込めば、カトナの敵ではない。
何度か打ち合えば、すぐに息が上がってくる。
シノが一瞬眉をひそめ、距離を取ろうと動く。その瞬間、カトナはシノの体に足払いをかけた。
予想外の方向からの衝撃に、シノの体勢が崩れる。
彼の体が前のめりに倒れ込んだところを狙って、カトナは首に手を当てる。もちろん急所である首だけではなく、後、数センチで鳩尾にあたるというところにも拳をおく。
キバやナルトなど、状況分析が出来ない人間な
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