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雲は遠くて
17章 世田谷区たまがわ花火大会 (2)
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明兄(あきにい)ちゃんたちって、なんとなく、
去年(きょねん)と、(ちが)うよね!
森川純さんも、高田翔太さんも。ね〜、みんな」

そういって、岡林香織が、3人の女子高生に、
話を()る。

「そうよね、なんか、明さんも、翔太さんも、純さんも、
しあわせそうな顔しているわ!」
と、女子高生のひとりはいう。

「きっと、すてきな、彼女ができたからよね!」

岡林香織が、そういう。

「正解!(するど)い、観察力(かんさつりょく)!」

と、わざと、(こま)ったような、顔で、森川純がいう。

みんなで、(おお)わらいをする。

そんな話をしているうちに、時刻は3時近(ちか)くになって、
次々と、みんなが、中央改札口からやってくる。

流行(はやり)なのか、ほとんど、男子(だんし)も、
女の子も、
カラフルな、浴衣姿(ゆかたすがた)で、やってきた。

川口信也(かわぐちしんや)が、「よーっ」と、
笑顔で、(あらわ)れると、
信也に、寄り(よりそ)うように、
大沢詩織(おおさわしおり)がいる。

清原美樹(きよはらみき)と、美樹の彼氏の、
松下陽斗(まつしたはると)もやってきた。

清原美樹の(あね)の、清原美咲(きよはらみさき)と、
美咲が、交際(こうさい)している、
弁護士(べんごし)岩田圭吾(いわたけいご)

2年生で、今年20(はたち)の、
グレイス・ガールズのギターリスト、
水島麻衣(みずしままい)も、
かわいい浴衣姿(ゆかたすがた)だった。

その水島麻衣が、急接近して、仲よくなっている、
ミュージック・ファン・クラブ(MFC)の幹事長の
矢野拓海(やのたくみ)

MFCの会計をしている、岡昇(おかのぼる)
その岡と、最近、交際(こうさい)を、
(はじ)めたばかりの、
3年生、21歳の、南野美菜(みなみのみな)
岡も美菜も、浴衣((ゆかた)だった。

MFCの、副幹事長の、谷村将也(たにむらしょうや)
その谷村と、やはり、交際を始めたばかりの、
南野美穂(みなみのみほ)もやってきた。

南野美穂は、南野美菜の(あね)である。
今年、23歳で、
キャリア・ガールっぽく、仕事にも熱心な、
会社勤(つと)めの、社会人だった。
美穂の浴衣姿(ゆかたすがた)も、
人目(ひとめ)()くほど、かわいらしい。

美穂(みほ)と、美菜(みな)は、価値観も
()ている、とても仲のよい、姉妹(しまい)だ。

谷村将也に、美穂を紹介した、
愛のキューピット(やく)は、
岡昇と、美菜であった。

そんな世話好きな、岡と、先日までは、
デートしたりして、親しそうにしていた、
1年生、
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