第二章
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葉に頷いた。そうしてふわりとした感じで彼の横に来たのであった。
「それじゃあ」
「うん」
こうして二人でおしゃべりをしながら森の中を歩くことになった。それはこの日だけではなく次の日もそのまた次の日も続いた。その中で彼は楽しみを思い出した。そうしてそれが日増しに増していくのも心の中で深く感じだしていたのであった。
その気持ちが何なのかはわからない。だがそれを抑えきれなくなってきているのは自分でもわかっていた。
「何だろう」
自分自身の心を見て考える。
「この気持ち。彼女とずっと一緒にいたい」
そしていつもこう思うのだった。
「一緒にいたい。そうして」
それからこうも思うのも常だった。
「楽しく過ごしたい」
常にそう思うようになった。それが抑えきれなくなっていき遂に彼は無意識のうちに手許にある花を摘み取った。
薄紫の花だった。見たこともない形をしていてそれがやけに派手に見える。彼はその花を少女に贈るつもりだった。そうせずにはいられなかった。
「この花を彼女に」
決めたらもう後は会うだけだった。いつもの約束の待ち合わせ場所に向かう。その山羊の脚で駆けると驚く程速かった。瞬く間に辿り着くとそこにはもうあの少女がいた。
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