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流星のロックマン STARDUST BEGINS
憎悪との対峙
31 暗闇の騎士
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姿、そして過去に自分を苦しめてきた経験が増幅した悪夢だった。

「あぁ...ミヤ...あぁぁぁ!!!私は...あなたを....キャァァァァ!!!」

「...ッ」

スターダストは胸ぐらから手を離し、そのあまりにも痛ましい光景に目を背けそうになった。
しかし激しい怒りとあまりの哀れさからその中道を行く答えを出した。

『バトルカード!スタンナックル!!!』

バトルカードを読み込み、右の拳に力を込めた。

『キサマに母親を名乗る資格なんかない...』

「!?まさか...」

スターダストはバチバチと音を立てたその拳で思いっきり美緒の頬を殴りつけた。

「キャァァァァァァァ!!!!」

美緒は襲い掛かる悪夢の中で聞こえてきたこのセリフ、そして頬の痛みで遂に届きそうで頭の中で掻き消されていたスターダストの正体に辿り着いた。
なるほど納得といったところで自分でも何故すぐに気づかなかったのかと思う。
その全身を駆け巡る高圧電流にエンドレス・ナイトメアの影響で意識を失いたくとも失えずに苦しむ呪縛から開放され、ただ激痛が一瞬しただけで美緒の視界は暗くなっていった。
このスターダストの行動は制裁、そしてある意味、救済でもあった。
いくら純真無垢の少女に麻薬同然のものを射ち込み、自分の娘に暴力を振るうような最低の母親でも母親なのだ。
娘であるミヤは昔は良い母親だったと言い、暴力を振るうようになってもその頃の母への愛は変わらないと話してくれたような気がした。
別に手心を加えたつもりはない。
先程、感じ取った美緒の心を覆い隠すどす黒い闇が美緒を優しい母親から冷酷外道な母親に至らしめると勝手な想像で美緒のやってきたことを許したわけでもない。
苦しんいるのが哀れで一撃で楽にしてやりたいと優しさを出したのではなく、自分の手ではなく自分の悪夢で自滅するのが許せずに自分の手でトドメを刺したかっただけだと頭の中で理屈をつけ、美緒を壁にもう一度叩きつけ、意識を無くした美緒の体はぐったりとそのまま地面に倒れる。
そして美緒のポケットから彼女が普段から使うLumiaとプライベートで使っていると思われるXperiaを取り出す。
この部屋に侵入してから僅か40秒程の出来事だった。
スターダストはそのまま踵を返し、メリーの方へと向かった。

「メリー!!...ヒナ!ヒナリ!!しっかりしてくれ...」

スターダストは声を戻し、メリーをゆっくりと抱きかかえて起こし、顔を近づけて頬をなでた。
バイタルは正常、呼吸もしている。
死んではいない。
頬は温かく、顔色こそ優れないものの、間違いなく生きている。
するとゆっくりと目を開いた。

「ヒナ!」
「...兄さん」

メリーは声を絞り出し、力の無い笑顔を作った。

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