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流星のロックマン STARDUST BEGINS
憎悪との対峙
31 暗闇の騎士
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うなものを使っている可能性が高い。
ならば実力行使で対応するのが一番効果的、というよりも美緒自身が興味があった。
スターダストの実力、そして自分自身の実力について。

「フッ...」

紫色のカードを取り出す。
しかし心に潜伏していた恐怖は必死に抑えていたつもりの動揺を引き起こし、手元が震えてトランサーに挿入する前に足元に落としてしまった。

「あっ!?」

美緒は慌ててカードを拾おうとする。
しかし真っ暗で床に這い蹲るように手を滑らせるが見つからない。
美緒は全身の毛穴から一気に汗が噴き出るような恐怖に襲われた。
このままでは傭兵2人と同じ末路を辿ることになるのは避けられない。
敵はWAXAでも警察でもない、自分たちを制圧し、生きたまま確保して事情や情報を聞き出そうとする公権力ではない。
自力救済を目的とし、私刑を加え、殺すことも辞さない自分たち同様に法の外の怪物だ。
そう思うだけで更に胸が潰されるような感覚に襲われ、呼吸が止まりそうだった。
早くこの苦しみから逃れたくてカードを探す手が更に早まる。

「はっ...はぁ...何処に...!?キャァァァ!!!」

美緒は自分の左手に走った激痛に悲鳴を上げた。
骨が折れたような感覚で全身の感覚器官が一瞬、麻痺する。
そして歯を食いしばりながら必死に目を凝らし、自分の手に何が起きているのかを見つめた。

「...あっ...あなたは!?」

手に乗っていたのは灰色に紺色のラインが入った重厚感のある戦闘用ブーツ、それに全体重を乗せて踏み潰されたのだ。
ゆっくりと顔を上げていくと底には紺のスーツに灰色の鎧を身に纏った電波人間、スターダスト・ロックマンが立っていた。
その澄み渡る青のバイザーから除く目が冷たく美緒を見下ろしていた。

「あっ...キャァァァァ!!!!」

次の瞬間、スターダストは美緒の胸ぐらを掴み、そのまま壁に美緒の体を叩きつけた。

「ぐぅぅ...」

「少しは懲りたか!?」

スターダストは美緒にこれでもかと言わんばかりに顔を近づけ怒鳴りつけた。
ギリギリと首のあたりにスターダストが胸ぐらを掴むことで苦しさと嫌な音が美緒を更に襲う。

「はっ!?何のことよ!?キャァ!?」

美緒はいきなりの怒鳴りつけられたことの意味が分からず、というよりは恐怖を掻き消そうと逆に怒鳴りつけるくらいの大声で言い返した。
しかし次の瞬間にはスターダストの平手打ちが美緒の頬を直撃した。
美緒は左手に続く激痛で再び痛覚が呼び戻され、恐怖で冷静な判断を下せない状況にありながらも、ある程度思考が回るようになっていた。

「自分の娘が死にかかっているというのに、キサマは母親の風上にも置けないゴミクズだ!!!」
「うぅぅ!?」


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