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流星のロックマン STARDUST BEGINS
憎悪との対峙
31 暗闇の騎士
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ヤの事を思っている人間などいるのか?

いや...もしかしたら正義の味方面したイカれた人間かもしれない...でもあの殺し方には間違いなく強い憎しみが現れている...

そんな時、不意に頬に痛みが湧き上がった。
1週間前に殴られたものが意外に強烈だった。
それでこそ殺してやりたいと思う程に憎しみの篭ったビンタだった。

「まさか...」

何かを思い出しかけた。
しかしその思考は一気に停止した。
部屋に誰かが入ってきた気配をその場にいた誰もが感じた。

「誰だ!?」
「出てきやがれ!!こそこそ隠れてないで出てこいよ!このへっぴり腰が!!」

美緒は敵の正体に手が届きそうだった事を忘れ、今、近づいている敵を退ける術に思考をシフトした。
少なくとも部下たちが考えているような暗闇に紛れてこそこそと行動するのは弱いからではない。
それ自体が武器なのだ。
おそらく敵には自分たちの姿が見えている。
そしてこちらは見えない。
一方的に不利な状況下で急所に一撃...スムーズかつ確実な強者の戦い方だ。
銃を乱射しておしまいという本当は弱いくせに強がる独裁者とは違う本物の強者、それが側にいる。
恐らく娘や家族について本気で考えたことの無い自分には分からない程に激しい憎しみを抱いている。
自分も別に最初からこんな淡白な人間だったわけではない。
ある時を境に自分をドス黒いものが包み込むような間隔を覚え、それが自分を黒く染め上げた。
自分の親が自分に多額の借金を押し付けて蒸発、まだ社会人になったばかりで生計を立てられない状況だった。
その後に始まった職場いじめ、取り立て。
それを支えたのが今の夫だった。
しかしそれを乗り越え、娘を授かって幸せを手にしたにも関わらず、その時の記憶は根強く居座り続け、気づけば家族へ愛を向けることなど出来なくなっていた。
本当は愛しているのに誰かを愛して信用すれば、それだけのリスクを背負う。
ならば誰も信用せずに生き続けるのが低リスクであり、家族など所詮書類上の関係なのだと思うようになった。





「このクソッタレ!!!」

傭兵の1人がトリガーを引いた。
凄まじい銃撃の音に美緒は思わず耳を塞ぐ。
しかしその銃弾は標的には一発も当たっていない。
それは銃を撃ったことのある人間にしか分からない直感だ。
それどころかその場所に敵がいたのかすら分からない。
一瞬、勘違いなのか、それとも敵が発した微かな気配なのかは定かではないが何かを感じた。

「...ッ...はぁ...クソ...」
「何処にいやがる...」

何処にいるのかは分からないが確実に同じ部屋の何処かにいる。
この教室は40平方メートル、その中に自分たちを狙う強大な力を持つ何か、それも一撃で自分たちを
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