第一章
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少女の言葉に少しバツの悪い顔を見せた。
「ちょっとね。気分んじゃないから」
「そうなんですか」
「また今度遊ぶよ」
そしてこう述べた。
「今度ね」
「そうなんですか」
「それよりもね」
オルキスはここで心の中で戸惑いを覚えた。今の言葉は自然に口から出て来たからだ。
「はい?」
「うん、また会えるかな」
そう彼女に問うた。
「明日にでも。いいから」
「はい、いいですよ」
少女は清らかな笑みを浮かべて彼の言葉に応えた。
「私も。遊びたいですし」
「そうだよね、やっぱり楽しく遊びたいよね」
これはオルキスの本音だった。やはり彼は遊びたかったのだ。
「やっぱり」
「何でしたら皆も呼びましょうか」
「あっ、それはいいよ」
この言葉も自然と口から出た。いつもなら是非呼んで欲しいと言うところが今日は違っていた。何故か二人だけで会いたかったのだ。彼女と二人で。
「明日はね」
「わかりました。それじゃあ」
「うん、御願いね。時間は」
「明日の今の時間でいいですよね」
少女は自分からこう言ってきた。
「それで」
「うん、それでいいよ」
それで別に問題はなかった。だから頷いた。
「じゃあまた明日ね」
「はい」
少女はそのまま舞うようにしてその場から消えた。オルキスはそんな彼女を見送って一人そこに残っていた。そしてそこで気付いたのだった。
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