一話
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「チッあの糞コンビニ、シュガーレスガム切らしやがって、信じらんねぇ。ったくちゃんと仕事しろってんだ。」
だがその本人は機嫌が悪かった。
機嫌が悪い蛭魔妖一になど町の不良でさえ絶対に近づきたくない。だがそんな事はお構い無しという様に話しかける人物がいた。
「やあ、高校生。青春してるかな?でも、こんな時間に出歩いてるなんて教師としてはあまりいい印象を抱かないぞ。」
蛭魔の隣に車が停止し窓から顔をし出したのは、まだ幼さが残る童顔に艶のある黒髪のロングヘアー。一目見た感じでは女子高生である。もしかしたら中学生でも通るかもしれない。
「ケッ、ただでさえ気分悪りぃのにさらにお前の顔を見ることになるとはな。」
「おや、私はそんなに嫌われてたかな?あまり嫌われるようなことしてないと思うんだけど。」
「そのテンションがうざいんだよ。しかも、テメェのこと洗っても弱味の一つも出てきやしねぇ。」
「後ろめたいことなんてしてないからね私は。正々堂々と生きてきたのさ!それに教師がそんなことやってたら、子供達を教える立場にいる私のたっせがないでしょ。」
「チッ、まずお前が教師ってのが有り得ねぇだろ。明らかにお前は教えられる人間だ。」
「私はちゃんとした大人だっての。ほら免許証見る?」
そう言って彼女は財布から免許証を出した。確かに書かれていた。
篁 美星 二十三歳と。
「何回も見たっての。それで、何しに来やがった?」
「通りかかったから声かけただけ。」
「………………。」
ガチャという音と共に何処から取り出したのか、マシンガンを彼女に向けた。
「通りかかっても声かけたらダメな仲だったの私達!?まぁそれはともかく、あれは冗談でちゃんと理由ならあるんだよね。
本当は別の日に家を訪ねる気だったんだけど、車で帰ってたら蛭魔が見えたからラッキーと思って。」
「 ならさっさと用件を言いやがれ。こっちは早く帰ってやらなきゃならねぇ事があんだよ。」
「まぁまぁ、そう焦らずに。そういえばさ夕飯食べた?」
「食べた。」
「はい嘘。車乗って、お姉さんが奢ってあげよう。」
「金には困ってねぇよ。」
「いいからいいから。」
そう言って美星は蛭魔を自分の車の中に引きずり込んだ。
「おい!テメェ何しやがる!」
バタンと扉の閉まる音がして、直ぐに車が出発した。
二人はファミレスに来ていた。全国的に店を構えるメジャー店だ。
時間帯的なこともあり、店員達は忙しそうにあちらこちらと動き回っている。
「で、結局何の話だ?」
蛭魔はステーキをナイフで切り分けながら正面でパスタを巻いて
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