そこにあった出会い……そして
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ちゃんと訊いとけば良かったな。
「まぁ、手当たり次第訊いてけば良いか…」
とりあえずそこに立っている人に訊いてみる事にした。
「え?言峰神父?ああ、あの人なら一階の階段近くにいるよ」
ありがとう、と俺は礼を言うと階段近くに行ってみる。案の定、そこには周りとは明らかに異質な服装をする男がいた。異質なのは服装だけではなく、その人からでるオーラだ。まるで隙あらば取って食ってしまいそうな感じで佇んでいる。
俺はあの人に声をかけなくてはならないのか…。少し落ち込むが行かないことには始まらない。自分を叱咤し、何とか言峰神父に声をかける。
「あの、白羽 優って言うんですけど部屋は空いてますか?」
すると、言峰神父はジロッとこちらを見ると、怪しい笑みを浮かべた。その笑顔はどうも何かを企んでそうなもののように思えた。
「白羽 優……ほう、そうか。イレギュラーでこの聖杯戦争に参加したマスターか……ククッ、これは面白い」
何が面白いのかさっぱりだが……と俺は内心呟く。
「2ーBだ。この階段を上がったすぐ横にある」
なんとか教えてもらい、俺は神父に礼を言うと階段を登り、部屋に着く。ここまで来たは良いのだが、教室で暮らす事には不安を感じていた。なんせ、風呂やベッド、生活に至るまで全部が完備されている訳でもない。本当に大丈夫なのか…とそう思いながら教室に入る。
部屋を見た時、案外悪くなかった。風呂はちゃんと完備されてるし、ベッドもある程度の大きさのが一つあった。まぁ、不安は多少なりとも解消された。しかし新たな問題が浮上する。
この部屋を男と女が共用するには若干狭い気がした。無論俺は男なので女と共同生活するのは嬉しかったりするが、逆に相手の方はどうだ。嬉しい訳がない。よっぽど愛し合ってるなら喜ぶかもしれないが仲が悪かったらそれはもう最悪にしかならない。
俺とセイバーも例えるなら後者の方に近い。まだセイバーと自己紹介すら行っていないし、貶されるし、怒られるしでロクな事がない。今後の為にも早めに仲良くしておいた方が良いよな。
「セイバー」
「何か用か?」
俺が声をかけた瞬間、すぐにセイバーは現れた。ああ見えて、結構主人には忠実らしい。
「自己紹介してなかったからしようかなって思ってさ」
「そんなものしなくて良い。さっき言峰に名前を名乗っていただろ?それを聞いていたから名乗る必要はない」
セイバーはどうでもいいと言わんばかりの表情を見せると、机に収納されていた椅子を取り出し、座った。これじゃあいけない。セイバーとコミュニケーションをとれなくちゃお互いの信用も獲得できない。それは色々とまずい。
「いや、やっぱ自己紹介するよ。ほら、仲良くした方が良い事ってあるじ
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