そこにあった出会い……そして
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る事を予兆しているような重みを感じさせる。
騎士はその光景を少々複雑な気持ちで見届けると、出口へと向かって行った。
目が覚めた時、俺は見知らぬベッドの上にいた。独特な薬品の匂いや周りに白いカーテンが敷かれ、結果からみるとここは保健室だと思われる。しかし、なぜ俺はここにいるのだろうか?気を失う前は確か大広間みたいな場所にいたのだが…。
「目が覚めたか?マスター」
声が聞こえたと思ったら、隣のベッドの端の方に女の子が座っていた。一つに纏めあげられた金髪の髪に、整った顔立ち。真っ赤なキャミソールや短パンを着た女の子がこちらをジーと見つめている。大胆な服装に目を丸くするが問題はそれではない。
「誰?」
「……ッ!?」
一瞬、女の子は衝撃を受けたような表情を浮かべるとすぐにその可愛らしい顔は怒りの表情へと変わっていった。
「貴様、オレを愚弄するか…。もしそうならマスターと言えど容赦はしないぞ!」
「ご、ごめん!そんなつもりは……!」
この時、俺の中である違和感が生まれた。この女の子の喋り方や態度、誰かに似ている。つい最近会ったような…。少しの間フリーズする俺だったが、脳内に浮かんだビジョンがこの女の子が一体誰なのかを教えてくれた。しかし、それは同時に驚愕の真実だった。
「え!?君女だったの!?」
そう。この女の子こそがあの鎧を着た騎士だったのだ。見た目からして気づかないが喋り方といい性格といい、全て一致する。その時だった。俺の言葉が、彼女の地雷を踏み抜いたらしい。女の子の機嫌は急降下し、俺を鋭い目で見てこう言った。
「おい…もし次にオレを女と呼んだら、ただでは済まんぞ」
背筋がゾッとした。彼女の目からは俺を殺意の対象として見ていた。迂闊にあのワードは使ってはいけないなと心に念を押す。
数秒、永遠とも思えるような気まずい時間が流れた。相手の方は黙ったままだし、明らかに機嫌悪そうだしで声をかけづらい。ああ、どうしよう…。誰か、誰か助けてくれ…この重苦しい空気を……誰か救ってくれ……。
切実な願いに反応したのか、それは突然現れた。カシャンとカーテンを開け、一人の女の子が入ってきた。
「あ、お目覚めになられたのですね!良かったぁ…!」
足元まである薄紫色の長髪の女の子がこちらを見ると、安心したような表情を浮かべる。制服の上に白衣を着ている様子からここの保健委員か何かだと思うが、一体これはどういう状況なんだ?
「お加減はどうですか?」
「良いんだけど……ここどこ?」
「「………」」
すると、鳩が豆鉄砲でも食らったかのような顔をする二人。少しの沈黙から最初に口を開いたのは保健委員の子だった。
「あのぉ……何も覚えていないんで
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