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雲は遠くて
14章 美樹と詩織のテネシー・ワルツ (2)
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やあー、みなさん、おまたせしました!」

と、ふいに、元気な明るい、男の声が聞こえた。

いつもの、(にく)めない笑顔の、
大学1年の、岡昇(おかのぼる)
同じく、1年の、平沢奈美と、
1年の、大沢詩織の、3人が立っていた。

「あれー?岡くんも、いっしょだったの?
あなたって、ほんと、意外性のある、おもしろい人ね!

ちょっと、あきれたような顔をして、岡を見ると、
菊山香織(きくやまかおり)が、かわいい、笑顔で、そういった。

「詩織ちゃん、来てくれて、ほんとに、ありがとう。
どうぞ、ここに、お(すわ)りください」

そういって、美樹は自分の(となり)椅子(いす)を、
大沢詩織に(すす)めた。

「はーい」と、大沢詩織は、少し恐縮(きょうしゅく)しながらも、
満面(まんめん)の、(かがや)くような()みで、
美樹のとなりに着席(ちゃくせき)した。

≪つづく≫ 
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