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雲は遠くて
13章 愛を信じて生きてゆく (I believe love and live) (1) 
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と、やさしく、微笑(ほほえ)みながら(はな)す、
3年生の清原美樹(きよはらみき)は、
バンドのリーダ的な立場に、自然となっている。

「やったー!だから、おれ、みなさんが好きなんですよ!」

岡はそういって、無邪気(むじゃき)な子どものような、
笑顔(えがお)になった。

「それじゃあ、始めましょう。この『私はピアノ』は、
シンコペーションといいまして・・・、
リズムの変化のことなんですけど・・・。
基本的に、8ビートですけど、
強拍と弱拍の位置、(はく)のオモテやウラが、
入れ替わって、変化するから、
そのリズムの変化に注意しましょうね。
南米(なんべい)の、
ブラジルなどが発祥(はっしょう)の、
サンバから、発展(はってん)した、ボサノヴァみたいな、
日本人ばなれしている名曲ですから、
シンコペーションが独特なんでしょうね。
みなさんの、センスの良さがあれば、だいじょうぶですけど」

キーボード・担当の清原美樹(きよはらみき)が、
みんなに、そういって、わらった。

みんなも、「はーい」とか、いって、わらった。

「あと、コーラスは全員でやりましょう。
中間の、おいらを(きら)いに、なったとちゃう?!
の、かけあいのセリフなんですけど、
二組(ふたくみ)()かれるんだけど、
それは、あとで決めましょう。
もちろん、岡くんは、
桑田佳祐(くわたけいすけ)さんのパートね!
岡くん、がんばってね、パーカッションで、
楽しい音とか、たくさん入れてね!」
といって、美樹はわらった。

「はーい」と岡。

「はーい」 「はーい」と
みんなも、わらいながら、美樹に返事(へんじ)した。

≪つづく≫ 
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