11章 ミュージック・ファン・クラブ (2)
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た。
・・・1756年に生まれて、1791年に35歳で、
生涯を閉じた、モーツァルト。
そんな、200年以上も前に生まれた天才が、
おれに、いろいろと語りかけてくる・・・。
矢野拓海は、モーツァルトを聴きながら、
ぼんやりと、人生や芸術について、考えてみることが好きになっていた。
・・・へたなハード・ロックを聴くより、モーツァルトって、
セクシー(色っぽい)な感じ。きっと、脳内を刺激してくるんだ。
むらむら、性欲がわきおこるというか、活力がわいてくるし。
モーツァルトの音楽は、すごい・・・。矢野拓海はそう思った。
「おだてんなって。なにもいいものは出ないよ。でもね、マジメな話。
サザン祭りってことで、純さんから、特別ライブを
やろうって、話が来たことで、サークルのみんなも、
俄然元気になって、目の輝きも違うし、よかったよ!」
そういって、MFCの幹事長の矢野拓海が、
ニコニコして岡と谷村、ふたりの肩をたたいた。
大学1年の岡は、MFCの会計を担当していた。
大学2年の谷村将也は、MFCの副幹事長だ。
公認サークルの設立には、会長としての、専任の教職員が1人と、
学生の責任者としての、幹事長、副幹事長、会計が、各1名、
必須条件であった。
「森川純さんの会社は、どんどん大きくなっていて、
ライブハウスも、全国展開してるよね。
音楽ソフトの、モリカワ・ミュージックは、
新人アーチストの育成や発掘に力を入れているしね。
すごいよね。
このごろの、この就職難、
おれの就職先なんかを考えると、
いざとなれば、頼りになりそうで、なんとなく、
おれの未来も明るい感じになってくるんだけどさ!」
谷村将也が、大きな声で、そういった。
谷村は、MFCでも、1番か2番の、声量の持ち主だった。
その声の大きさに、まわりにいる、MFC(ミュージック・ファン・クラブ)
の、女の子や男子の部員たちが、いっせいにふりむく。
≪つづく≫
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