第五章
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第五章
「その水泳とテニス以外にさ」
「水泳とテニス以外って」
「他にもすることあるじゃない」
彼の提案はこれだった。
「だからさ。それに行ったら」
「そうね」
言われてそれも一理あると思いはじめた優子だった。
「それじゃあ何か考えてみようかしら」
「いいと思うよ。それで」
「わかったわ。それじゃああんたもそうしなさいよ」
「俺も?」
「そうよ。あんたもよ」
今度は炒飯をれんげでかきこみながらの言葉だった。
「あんたもそうしなさいよ」
「俺がそうするってことは」
「さっさと敦子と仲直りしなさいよ」
優子が言うのはこのことだった。
「わかったわね。仲直りしなさい」
「仲直りって」
「太宰が何よ。志賀直哉が何よ」
そしてこうも言ってみせるのだった。
「そんなの大した違いじゃないわよ」
「いや、それは」
全然違うと言おうとした。だがここで優子は言い切ったのだった。
「プランクトンよりもね」
「プランクトンよりもって」
「そうでしょ?いい本だったら読む」
優子は見事に言い切った。
「駄目な本だったら読まない。それだけじゃない」
「それだけなんだ」
「そうよ、それだけよ」
ラーメンをすすりながら言い切るのだった。
「本当にね。それだけじゃない」
「そういえばそうかな」
「そうよ。わかったら早いところ敦子のところに行きなさいよ」
優子はまさに思い立ったが、の人間だった。
「今からでもね」
「今からはちょっと」
「じゃあすぐに行きなさい」
今からでなければすぐに、であった。やはり性急な優子である。
「わかったわね。すぐによ」
「わかったよ。それじゃあ」
頷こうとした隆博だったがここで。ふと制服に入れている携帯に着信音が鳴るのだった。
「あっ、メールが来た」
「あんた一体何やったのよ」
「別に何もやってないよ」
身に覚えのないことなのでこう返した。
「別にね」
「そう。じゃあ何かしら」
「そこまではわからないけれど」
言葉を返しながら携帯を取り出す。するとそのメールの主は。
「敦子ちゃんからだ」
「丁度いいじゃない」
優子は今の隆博の言葉を聞いて述べた。
「それで何て書いてあるの?」
「今日の放課後商店街の入り口って会いたいって」
「商店街の入り口って駅前の」
「うん、そこって書いてあるよ」
それまで書いてあるのだった。
「そこの入り口でね」
「ふうん。敦子の方も同じこと思ってたのね」
優子はすぐにそのことを察したのだった。
「仲直りしたいって」
「そうだったんだ」
「そうよ。わかったら行きなさいよ」
優子は無理にでも彼をそこに行かせるつもりだった。彼女にしろクラスメイトとして敦子の為にも彼にはそこに絶
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