10章 信也の新(あら)たな恋人 (5)
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10章 信也の新たな恋人 (5)
司会は、店長の、佐野幸夫だった。軽快で、
おもしろい、MC(進行)も評判だった。
「今夜は、ライブ・レストラン・ビートへ、お越しいただいて、
ありがとうございます。いやーあ、今夜も、超満席になりました。
ほんとうに、ありがとうございます」と、店長の佐野。
「白石愛美さんは、わたしも、びっくり、
あの、華麗な歌姫、マライア・キャリーさんが、
大好きで、尊敬していて、歌の師匠であったんですよね。
それで、うちの、モリカワのレストランで、ウェイトレスをして、
チャンスを、虎視眈々と、
伺っていたというわけなんですよね。
そしたら、どうでしょう、このように、いまでは、
みなさまに、愛される、ポップス・シンガーとして、
ライブ会場を、満席にしてしまっています。
これは、まるで、現代のシンデレラ姫の物語、
そのものですよね。
わたしなんか、このサクセスストーリーだけで、
感動してしまいます!
虎視眈々のトラのように強靭な目的意識をもった
若干20歳女の子が、
シンデレラ姫となって、羽ばたいていくんです。
みなさま、絶大なる声援を、これからもお願いします!」
会場からは、割れんばかりの拍手と声援がわきおこる。
「あ、みなさま、シンデレラ姫といったら、王子さまが、
必要ですよね。わたしがその、王子さまになれたら、
いまにでも、死んでも、悔いはないのですが、
運命のいたずらというか、現実はいつも、きびしいものです」
といって、佐野が、おいおい、泣くマネをすると、会場からは、
わらいがもれた。
「さて、今夜は、白石愛美にふさわしい、
すてきな王子さまも、来ております。
白石愛美も天才級の歌声ならば、
この人も、天才級のピアニストです。
ピアニスト・松下陽斗です!」
ここで、ステージには、松下陽斗と、白石愛美が現れた。
会場に、絶大な拍手と歓声がわきおこった。
その会場の熱気は、このふたりの人気度をあらわすようであった。
ポップス・シンガーの白石愛美と、ピアニスト・松下陽斗は、
モリカワの全店と、モリカワ・ミュージックが、全面的支援していた。
そして、すでに、そのふたりの才能は、雑誌やテレビのマスコミも、
注目していて、その知名度も、急上昇中であった。
去年まで、白石愛美は、モリカワのレストランで、
ウェイトレスをしながら、地道に歌のレッスンをしていた。
去年(2012年)の初秋、モリカワ・ミュージックが、
デ
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