暁 〜小説投稿サイト〜
雲は遠くて
10章 信也の新(あら)たな恋人 (4)
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
織ちゃんって、やさしくって、
とてもいい子だね。おれも、今度こそは、詩織ちゃんと、
うまくやっていけそうな気がしてくるよ。
詩織ちゃんがいうように、不器用な人ほど、真面目(まじめ)
努力もするしね。だから、不器用って、欠点ではなくて、
長所だと、考えたほうがいいのかもしれないよね。
不器用なおかげで、わりと、ひとつのことに、(ねば)り強いし、
執着(しゅうちゃく)するし、失敗や努力型は成功のもとってね。
ね、岡ちゃん」

「そうですよ、川口さん。ロッカーの斉藤和義(さいとうかずよし)が、
やっぱり、野球が好きでも、あまりうまくならないから、
ミュージシャンになれたとか、テレビで語ってましたよ。
ミュージシャンって、スポーツ音痴(おんち)
が多いんじゃないかって、いってました、たしか・・・。
いまも、仕事の合間に、好きな野球はやっているらしいっすけど。
そんなところ、あの人も、不器用なのかもしれないし、
川口さんと、おれとに、似てるかもしれませんよね。」

「おれたちも、斉藤和義みたいに成功する夢を
あきらめちゃいけないよな。
そうかあ、おれも、岡ちゃんも、高校のとき、
バスケットが、大好きで、夢中だったけど、
へたっぴだったって、ところ、斉藤和義さんにも、
どこか似ているのかもなあ。スポーツ音痴かあ、
痛いところ、つかれるって感じだよな、岡ちゃん」

「はい」

川口と岡がわらった。

「川口さんと岡くん、バスケットに熱中してたんですか!
それも、すてきです」

そういうと、詩織は、川口に()れなおしたようであった。

フレンチ・カフェ・レストランでの、誕生パーティのあと、
3人は、歩いて5分くらいの、ライブ・レストラン・ビートへ向かった。

今夜の公演の、女性・ポップス・シンガーの、
白石愛美(しらいしまなみ)と、
ピアニストの松下陽斗(まつしたはると)との、
コラボ(共演)は、チケット(入場券)も、
ソールドアウト(完売)という感じであった。

6時半の開演前、すでに、1階フロア、2階フロア、
あわせて、280席は、ほぼ満席、人だらけであった。

川口たち3人は、ステージ近くの席を予約できた。
クラッシュ・ビートの仲間の3人、
森川純(もりかわじゅん)高田翔太(たかだしょうた)
岡林明(おかばやしあきら)、も会場に来ていた。
川口に、うまくやれよ!とでもいった、エールを送る。

≪つづく≫ 
[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ