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雲は遠くて
10章 信也の新(あら)たな恋人 (3)
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ささやかではありますが、乾杯をいたしたいと思います。
かんぱーい!」

3人は、赤いクッションの椅子(いす)にすわったまま乾杯をした。

「このように、すばらしいパーティーを開いていただき、
ありがとうございます」

大沢詩織が、(ひとみ)(うる)ませて、ちょこっと、頭を()げた。

「詩織ちゃんのお祝いをするなんて、男として、光栄ですよ」

≪つづく≫ 
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