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魔法少女リリカルなのは平凡な日常を望む転生者 STS編
第55話 再び訪れる絶望
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対に忘れない………」
「俺も………」
流れで告白をしてしまったような気がするが、恐らくその方が俺に合っていると思う。結局考えた台本のセリフは一言も言わなかった。
「孝介」
「何だ?」
「大好き」
そう言って俺の唇に優しく口づけをしてくるエリス。不意にされたので少し固まっていたが、俺も肩を抱いてそれに答えた。
「ん……………んふふ」
嬉しそうに小さく笑うエリスが本当に可愛らしくどうにかなりそうだった。
しかし………
「えっ………?」
不意に襲う背中の痛み。熱を帯び、激しい痛みが俺を襲った。
「お、お前がいいいいいけないんだ!!!僕の………エリスちゃんを!!!」
その後、後頭部を何かでぶたれ、俺は横に倒れ込む。
「えっ、孝介!?」
いきなりの事でエリスも固まっていたが、殴られた所で、俺に駆け寄って来た。
「な、何でそんな奴なんだよ………僕だって、僕だって!!!!!」
狂ったような雄叫びを上げた後、エリスに襲い掛かる男。
「くっ!?」
痛みと頭を襲う痛みで、体も意識も事切れる寸前だった。
だけど俺は体を振るい立たせ、エリスの前に立った。
「死ねええええええええ!!!」
男は血塗られた包丁を突き刺そうと迫っていた。
(これは駄目だ………)
直ぐに直感した。男の包丁は俺の心臓をめがけて真っ直ぐ迫っている。
(ごめんみんな………)
走馬灯の様に記憶が頭の中で流れていく。両親に加奈、桐谷。そしてエリス。
(ああ、だけど………エリスを守れてよかった)
だけど不思議と心は晴れやかだった。大好きな人を守れた事なのか、恐怖も無い。
(だが、ただじゃあ死なねえ!!)
そして意識を失う寸前、それだけが孝介の意識を失わずギリギリの線で保っていた。
一矢報いる。せめてエリスを襲わせない為に一緒に河川敷の丘の下に引きずり降ろして逃がす時間を作る。
途切れそうな意識の中、その思考だけはハッキリとしていた。
それなのに………
(なっ………!?)
俺の目の前に立ちはだかったエリス。
「ああっ………ああああああああああああああ!!!」
男の刃は止まる事は無く、エリスの左胸を突いた…………
「ああ、エリスちゃん………エリスちゃん………あはは!!何処に行くつもりなの?僕も一緒に行くよ!!」
そう言って男は自分の首をスパッと斬り裂いた。血を吹き出し倒れるが、通行人も誰もおらず、静かな河川敷に男の最後を見た者はいない。しかしその死に顔は不気味に微笑んでいた。
「エリス………」
もう動かない体を精一杯引きずり、エリスの顔を覗く
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