第1部
第6話 加賀、苦悩ス〜其ノ壱〜
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明日の近代化改修で重雷装巡洋艦に改良される木曾は、この鎮守府では古参の艦娘だ。
無類の戦闘狂でもあるが、状況把握や他艦との連携も卒無くこなす。
護衛艦隊でも期待出来る働きをしてくれるだろう。
水上機母艦の千歳。
水上偵察機母艦には主要な武装は無いが、小型魚雷艇の甲標的や燃料を積載出来る。
護衛艦隊の命綱と言っていいだろう。
明日の早朝から皆を集め、彼の艦隊と顔合わせをしなければならない。
(もう寝よう…)
加賀は次第に睡魔に襲われ、眠りに就いた。
後にこの編成が珍事件を巻き起こすとも知らずに……。
???
翌日 PM12:05
第1024鎮守府 エインヘリアル艦隊旗艦
リンドヴルム
エインヘリアル艦隊と第1024鎮守府護衛艦隊の面子が顔合わせをした直後、事件は起こった。
「一葉は俺に乗艦するんだッ??」
「何を言っておるッ?? 一葉は吾輩が運ぶのだッ??」
「一葉君は私に乗艦します、これは決定事項です」
「わ、私が……」
「「筑摩は黙って(いて下さい/おれ/ろ)ッ??」」
「ひ、酷い…利根姉さんまで……」
「み、皆さん落ち着いて…」
エインヘリアル艦隊の代表面々の目の前でいきなり口喧嘩を始める利根、木曾、千歳。
その3人に否定され泣き崩れる筑摩と、3人を止めようとする霧島。
私はその光景を見て絶句した。
すっかり忘れていたが、利根、木曾、千歳は一葉を大層気に入っていた艦娘の一部だ。
利根や千歳に至っては自作のぬいぐるみを作る程。
そもそも何故こうなったか。
実はエインヘリアル艦隊から、参加艦艇をリンドヴルム(と言う名前の戦艦)のみにしたいと提案があったからだ。
燃料関係から、無駄に艦隊を動かすことが出来ず、尚且つ戦力を維持するには、搭載しているMS(と言う艦載機)を私達艦娘に搭載するしか無いという話だ。
それを聞いた3人が……
「吾輩が水偵のカタパルトを降ろす、そうすれば一葉の艦載機は搭載可能だッ??」
「一葉1人載せるなら俺にだって出来るぞッ??」
「あらあら、私だって今回は補給が主任務だから水偵もカタパルトも載せませんよ?
構造上から見ても私が適任です」
と言って聞かないのだ。
「ね、姉さん達落ち着いてくれ。
どう考えても姉さん達に搭載は難しいと……」
「こうなったら一葉に決めてもらおうじゃないか」
「えっ?」
「ふっふっふ…吾輩を選ぶに決まっておろう?」
「あらあらあら、利根さんは自意識過剰で困るわ。
私に決まっているじゃない」
「お前等じゃ役不足だ、俺に決まってるだろ」
「い、いや、あの…」
ジリジリと彼を追い詰める3人。
「皆、いい加減に……」
「お、俺はッ??」
私の
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