第1部
第6話 加賀、苦悩ス〜其ノ壱〜
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な燃料を使うらしくてな、この世界じゃ碌に補給が出来ないんだと。
だから最短距離の海上を行きたいんだとさ」
提督は机の引き出しから煙草を取り出し、一本咥えて火をつけた。
「本来ならうちの艦隊の総旗艦である長門が請け負うべき任務なんだが……。
長門はこの第1024号作戦で深海棲艦に対する囮艦隊の旗艦として、一葉達が出航する直前に鎮守府近海の深海棲艦に対する作戦行動を取る手筈になっていてな。
長門に継ぐ実力を持つ艦娘となると鳳翔か加賀になるが、鳳翔は航続距離が短い。
そこで加賀、君に頼もうと言うわけだ」
「あの………私は…その……」
「ま、無理にとは言わない。
この頃は連戦続きで、君も疲れてるだろうし…。
無理なら伊勢か日向か、金剛か…あるいは扶桑辺りにでも……」
「…ッ??」
扶桑の名が出た瞬間に加賀の表情が一変し、物凄い勢いで提督に喰いついた。
「やります、やらせていただきます」
「そ、そそ、そうか…よかったよかった……。
では、明日の昼までに加賀、君を含めた6隻を護衛艦隊に選抜してくれ。
選抜が終わったらすぐに工廠で艤装を実戦装備に換装して待機だ。
赤城は加賀の留守中、空母艦隊を指揮してくれ、いいな?」
「「了解ッ??」」
???
「はぁぁぁ……あんな事言って置いて……今更どんなを顔して会えば……」
一葉達が第1024鎮守府に来て直ぐの時、空母精錬場での一件を思い出し、加賀は自己嫌悪に陥っていた。
あの時は戸惑いもあり突き離したが、今では確信を持って言える。
彼は間違い無く神宮司一葉であると。
彼が手渡した髪飾りは間違い無く飛行甲板から削り取った唯一無二の品であるし、ここ数日の間の彼の行動、仕草は、若干大人びているものの、幼い頃の彼の仕草そのものであったからだ。
この鎮守府で1番長く一緒に居た加賀だからわかる理由であった。
1年前の幼かった頃の一葉とは違う、男としての風格を備えた一葉の姿が脳裏に映り、加賀の顔が真っ赤に染まった。
「〜〜ッ??」
ボンッと枕に顔を埋めて悶える。
(な、なぜ私が…こんな…ッ??)
考えないように思考を別の方向へシフトする。
提督に選別しておくように言われた護衛艦隊の艦娘達を決めなければ。
まずは艦隊の前衛として、戦艦の霧島。
航続距離と速力、装甲や火力の高さから見て、金剛型は外せない。
金剛と比叡は囮艦隊に選抜されて居る。
最近配属された霧島は経験の浅さから選ばれなかったので、手が空いているはずだ。
次に重巡洋艦の利根と筑摩。
速力と航続距離、火力も申し分無く、水上偵察機の運用を前提に開発された為、索敵能力も高い。
火砲や雷装も充実している為、またとない戦力となるだろう。
軽巡洋艦の木曾。
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