暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜漆黒の剣士〜
第8話 「小鴉丸からの招待状?」
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 無邪気な笑みを浮かべるレヴィの顔は何ら昔と変わらない。それだけに、体はきちんと成長しているのに精神年齢は変わっていないように思えてならないのだが。
 ふと視線を横にずらすと、レヴィ越しにだがこちらを眺めているバニングスの姿が見えた。表情を見る限り、何かを思い出しているような感じである。

「前言撤回、やっぱりレヴィって呼ばせてもらうわね」
「なんでぇ〜! センパイ、センパイがいい!」

 レヴィの駄々をバニングスは華麗に聞き流している。
 この子、会ったばかりのはずなのにレヴィの扱いが上手いな。もしかして家で犬でも飼ってるのだろうか。レヴィは人間だけど犬っぽいところがあるし。

「ショウ、何でこの子はボクのことをセンパイだって呼んでくれないの!」

 それはお前に先輩だって呼べる要素がないから。
 と、言ってしまうのは簡単であるが、レヴィはこう見えて傷つきやすい子だ。ばっさり切り捨ててしまうと下手をすれば泣いてしまうかもしれない。現状で泣かれるのは困るので、俺は彼女の意識をカレーのほうへ戻すように促した。
 作戦が功を奏したのか、自棄食いを始めたのかは分からないが結果から言ってレヴィは再びカレーを食べ始めた。

「レヴィの扱い慣れてるんですね」
「まあね。こいつやディアーチェとは昔からの付き合いだから」
「そうなんですか……あれ? でもレヴィって留学生って言ってましたよね。ということは出身は海外のはずなんじゃ……」

 バニングスの疑問は最もだ。
 俺の名前はレヴィと違って漢字が用いられているし、見た目も黒髪に黒目。留学生である彼女と付き合いがある理由は気になって当然だろう。

「あぁ……俺の叔母が彼女達と知り合いだったんだよ。だから昔から何度か会う機会があってね」

 それに俺は、少し前まで海外で両親と一緒に暮らしていた。ただ生まれた頃からというわけではなく、小学生の途中からだ。
 海外で暮らすことになった理由としては、父親が叔母やグランツ博士にも負けない技術者であることに加え、母親がそれなりに有名なパティシエだからということが挙げられる。
 日本に戻ってきたのは俺だけであり、両親は今も海外で暮らしているわけだが、別に一人暮らしをしているわけではない。父さんの妹、つまり叔母と一緒だ。
 叔母は技術者としては優秀なのだが、家事といった能力は極めて低い。下手をすればそのへんの子供の方が上なのではないかと思うほどに。そのため俺は彼女のために日本に戻ることになったとも言える。まあ純粋に日本の方が暮らしやすいことと、ブレイブデュエルの件があったのも理由ではあるのだが。

「へぇ〜、ショウさんって帰国子女だったんですね。日本語以外にも話せたりするんですか?」
「少しは……でも暮らした時間がここもあっちも
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