暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
73話:六課設立前 出会いと別れ
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トラーダが魔法を発動。エリオは閃光のごとき速さでエスカレーターの壁を何度も跳ね、倒れ掛かった少女を抱えて飛び出した。
エリオはその状態で上の階に到達するが、勢い余って二人一緒に倒れてしまう。その際自分が下になるように倒れたのは、偶然か咄嗟にやったことなのか。

「あいててて……すいません、失敗しました…」
「いえ、ありがとうございます。助かりました……あっ…」
「え…?」

その時二人はようやく気づいた。エリオの手が丁度よく、少女の年相応の小さい胸に触れていたのだ。
なんというラッキータッチ。なんというラッキースケベ。エリオマジ許すまじ。

「あ、すいません今退きます」
「あぁ!あの、その…こちらこそすみません!」

少女はエリオの上から離れ、エリオも慌てて少女から離れる。
すると先程の騒動で地面に落ちた鞄が動き、その中から小さい白い竜が出てきた。

「あっ、フリードもごめんね。大丈夫だった?」
「キュクル〜」
「竜の、子供…?」

普通は見ない竜の姿に驚いていたエリオに、少女はフードを外しながら声をかける。

「あの〜、すいませんでした。エリオ・モンディアル三等陸士ですよね?」
「あ、はい!」
「初めまして、キャロ・ル・ルシエ三等陸士であります。それから、この子はフリード・リヒ。私の竜です」
「キュクル〜」

そう言って桃色の髪の少女―――キャロはエリオに敬礼をし、白い竜―――フリードもキャロの膝の上に降りて元気に鳴いた。




 
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